日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎光や人影

◎光や人影
 生き死にがかかる状況になると、病人の目に映る世界は一変します。それまでの常識ががらがらと崩れる。
 私自身も経験しましたが、妙な光や煙、それと実際にはいない人影を見たりします。
 今考えると、そういうのが自身の状態を測るひとつの指標になるようです。
 これが出始めたら、かなりヤバイ。

 何度も書きますが、私の前に「お迎え」らしき人影が現れたのは、心臓の手術を受けてひと月ほど経った頃のことで、夕食後にベッドに座っている時です。
 カーテンが開き、二人組の男が顔を覗かせた。
 その二人の表情を見た瞬間に、即座に「これは人ではない」と悟りました。
 確か「やめろ」とか「来るな」と呻いたと思います。
 幸い連れ去られることはなく、しばらくすると二人は去って行きました。
 他の人の体験談も聞いていますが、ああいう感じの「死神」は事故とか急病死の時に見るもののよう。
 本番では、身近な人(故人)の姿が見えることが多いらしい。

 これをすり抜ける方法もあると思いますが、もし病人が「誰それが来た」などと言い始めたら要注意です。
 しかし、ま、麻酔なんかの効き目で妄想が見えることもありますので、手術直後は除きます。

 健康の大切さに気が付くのは、それを失いかけてからです。
 お金と同じで、沢山持っている時には、さほど考えずに浪費してしまいます。
 こういうのは、実際に体験しないと分からないわけですが、いざ体験すると、そこから戻って来るのが大変です。
 半分くらいは、そのままの勢いで「持っていかれる」のではないでしょうか。
 医師は「瀕死の患者が末期に観る妄想」と言うでしょうが、どういうものであれ、意味は同じです。またその医師だって、あれを見てから言っているわけではありませんし。

 友人女性のダンナがステージ4で闘病中ですが、「個室はやめとけ」「入り口のベッドはなるべく避けろ」などと伝えています(半ばは本気です)。
 もちろん、療養中の母にもそう言います。