日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎幽霊の正体見たり

イメージ 1

◎幽霊の正体見たり
匿名の人が画像を送って来ました。
「ネットオークションでこういう感じの品を見かけるのですが、これって本物でしょうか」
そこで、「造幣局に申し込めば館内を閲覧させてもらえます。一発で判断できますよ」とお答えしました。

穴あき貨幣は、1)最初に穴を開けてから、2)極印台に載せ、窪みにセットして、3)上下の極印を合わせて打ちます。これが瞬時のことで「ほとんど同時」のタイミングで行われます。
工法上、2度打ちされることは無く、また穴が大きくずれていれば、まともに極印を合わせることが出来ません。

よくある贋作手法は主に2通りです。
●一旦、同じ素材で穴を埋め、ドリルで穴を開け直す。
●極印製造機(レーザー解析)を用いて精巧な偽物を作り、それに穴を開ける。
いずれも穴を後から開けるので、穴の内側を拡大してみれば一目瞭然です。

もちろん、穴無しも作れます。
実際に「穴なしの貨幣があるのだが」と穴を埋めた5円、50円を持参した方がいました。

エラー貨については、かつて職員が持ち出した品が市中に出たケースがありますが、今では目先の数万のために仕事と退職金を失くす人はいません。
(これは造幣局の人が言っていました。)

数十年前には、数ミリズレの品しか存在しなかったのに、今では5ミリ十ミリ。さらには2つ開いてます。
幽霊どころか、ゴジラが出現するご時勢のようです。

でも、ま、好事家は真実ではなくロマンを求めます。
骨董屋に「楊貴妃の使ったショール」が5千円で置いてあれば、誰でも「ああ、物珍しさを売っているのだ」と解釈します。
数千円なら納得ですが、しかし、通貨の偽造・変造は重大な犯罪で、所持するだけでもダメなのです。

ちなみに、画像については、上の穴と本来あるべき場所の盛り上がり(郭)の大きさにほとんど違いが有りません。これだけで十分ですね(穴が大きすぎる)。本物と見比べるとすぐに分かります。

最後にもう一度書きますが、まずは造幣局で機械を見てください。
議論の余地はありません。