夢の話 第673夜 自転車で
18日の午前5時に観た夢です。
自転車に乗って道を走っている。
大学の近くで人と会う予定があるのだが、その前に用事があった。
先にそれを済ませ、約束の場所に向かおうとしていた。
十三間道みたいな道路を走っていくと、道路の真ん中に穴が開いていた。
横に長い穴で、脇をすり抜けていくことが出来ない。
「ありゃりゃ。どうなってるの?」
穴を除きこんでみるが、かなり深く、底まで20メートルはありそうだ。
穴の幅は3メートルくらいだから、後ろから走って来て跳躍すれば飛び越えられそう。
「だが、それも自転車じゃなかったら、の話だ」
俺がこの穴を渡るには、最初に自転車を向こう側まで放り投げ、その後で自分が飛び越えねばならない。
ここで反対車線の方に目を遣ると、そっちには飛び石みたいに足場が残っていて、そこを小学生たちがひょいひょいと渡っていた。
「ガキなら平気だろうが、こっちは自転車がある。向こうは穴の幅も広いし無理だよな」
仕方が無いので、後方に戻り、5キロ手前の分岐で迂回することにした。
遠回りになるが、確実に目的地には行けるだろ。
道を戻ると、高速の入り口が見えて来た。
「あそこから高速を使えば、ものの5分で行けるよな」
だが、いつも車なのに、今日に限って自転車だった。
自転車では高速に入れない。
「やはり分岐まで戻るしかない」
20分ほど自転車を漕ぎ、ようやく分岐に戻った。
Y字交差点の別の道に入り、再びペダルを漕ぐ。
「もうぎりぎりだよな」
遅刻するかも。
そう言えば、昔、ようやくデートに誘い出した女子と駅前で待ち合わせをしたのに、その女子が現われず、2時間待ったことがあった。
すっぽかされたのではなく、その女子は女子で別の出口で待っていたのだった。
U駅は出入り口が5つはあるから、分かり難い。
携帯電話がまだ普及していない頃のことだ。
「でもそれももはや昔の話だ。もう何十年か前の話だろうに」
ここで俺は現実に気づく。
「何十年前のことだよ。俺は今の今まで、自分が学生だと思っていたが・・・」
冷静に考えると、俺が大学を出たのは、十年、二十年、もっと前だった。
「俺はもうオヤジじゃないか。そんな俺が大学の前で、一体誰に会うのだろ」
半キロ前方に人垣が見える。
数百人はいそうだな。
「あれって、もしや」
さっきみたいに、道路に穴が開いているのかもしれん。
「でも、何であちこちの道路に穴が開いているのだろう」
地震とか、ガス管の爆発とか。
そうなると、あまり動き回るのは危険かもしれん。
すると、唐突に俺の背後から声が聞こえた。
「行ったら駄目だよ」
思わず「え」と自転車を止め、後ろを振り向く。
ハンドルから離した右掌に、誰かが手を滑り込ませた。
その手は俺をけして行かせまいと、手に力を込めた。
ここで覚醒。
眠っている途中で、右手を握られたので、眼が覚めました。
あの手の感触は母ですね。
こういう時の感触は、自分の潜在意識がメッセージを送っているのだと思いますが、一体どういう意味なのかがよく分かりません。
母の姿(触感)を借りて、何を伝えようとしているのでしょうか。