◎落ち目の三度笠
栄監督を学長が解雇したが、「人間、下がっている時はあんなもんだ」と痛感した。
一挙手一投足を悪く受け取られてしまう。
栄監督は一生懸命が仇となり、パワハラを指摘され、主だった役職を解かれてしまった。
自身の人生の主要な部分を失ったのだから、本人のショックもひとしおだろう。
昼食が出ないので知人と飯を食いに行き、タニマチみたいな知人に誘われるままキャバクラに同伴したら、逐一それを調べられ、報道で叩かれてしまう。
知人は「慰めてやろう」と思って誘っているのだから、断り難いし始末が悪い。
ま、大人の世界ならこういうのは断れない。
押し売りであっても、善意を拒否すると人は去って行くものだからだ。
メディアには揚げ足取りを散々やられるわ、パワハラの権化みたいな学長に「分かっていない」と断罪されるわ、栄氏にとってはふんだり蹴ったりだ。
だが、めぐりが悪い時はそんなもんだ。
メディアは「金になる」と思えば徹底的に叩くし、ネットは「面白い」「気に入らない」という理由で打ちのめす。
栄氏の二分三分の言い分に耳を傾けることは無い。
しかし、「それで当たり前だ」と思えば、どうということもない。
頭を切り替えて、ここはひとまず静かにし、心機一転を計るしかない。
幸いなことに、指導実績が抜群なのだから、「ウチに来てくれ」と申し出る学校は幾らでもある。
あの学長から離れ、自由に学生を指導できる立場になったほうが、はるかに楽しいだろうと思う。
外見はジーサンぽいが、実は50台半ば。
今年はさらに齢を取るだろうと思うが、もちろん、まだ若い。
これから田舎の大学や高校に行き、またゼロから押し上げるという楽しみもある。
今回は学長が「次の機会を与えてくれた」と思いなせれば、すぐに好機は来ると思う。
栄氏なりに責任を取ったし、取らされたのだから、この後、氏を責めるのは筋違いだと思う。
「まだ謝罪していない」とか言い出したら、きりがなくなる。
「免職」がその答えであり替わりで、もはや十分過ぎるほど制裁を受けている。
今でもメディアはやり過ぎの感がある。