日刊早坂ノボル新聞

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◎好事家が世の中をダメにする

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◎好事家が世の中をダメにする
 テレビ番組に、コインの専門家なる人が出演し、穴ズレ50円貨について解説していた。
 「この品が本物だと分かったのは、穴の断面の瑕が本物の機械で無いと出来ないものだったからです。要するに造幣局で作られたものの証明になります」

 何と愚かな話だろう。
 造幣局を実際に訪れて、貨幣を打刻する手順を実見すれば一目瞭然だが、穴が大きくずれる要素は「微塵も無い」。
 もしそれが出来るとすれば、意図的にそれを作った場合だけ。

 造幣局を訪れた時に、知人が職員に訊ねた。
 「もし、担当職員がエラー貨を持ち出せば、20万とかで売れるんですよ」
 すると職員はそれを一笑に付した。
 「それは犯罪です。たった数十万のために退職金をふいにする者はいませんよ」

 実際、その通りだろう。
 普通の状態であれば、エラー貨を外で売ろうとは考えない。もし、借金で苦しんでいたりしないならばの話だ。

 事実はこう。
 造幣局の貨幣製造機は、穴が大きくずれるようには出来ていない。
 また、ほんの少しずれただけでも、チェックにかかり、回収される。
 もしそれが市中にあるとすると、そのことの意味は、「造幣局の誰かが意図的に作成し、それを持ち出した」というケースだけだ。
 となると、これはエラ-貨幣でもなんでもなく、犯罪の証拠品。
 こういうのを珍しがって高値で評価するのは、犯罪を助長するようなものだ。

 好事家は本当に愚かな生き物だ。
 頭、もしくは人格のほうに穴が空いている。