日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎働き方改革

働き方改革
 結局のところ、「働き方改革」で変わることと言えば、「何時になったら会社から出る」と決めることくらい。
 しかし、会社が要求する達成度の水準を満たすには、「家に仕事を持ち帰る」ということになる。
 要するに、会社から見て「残業費を払わずに済む」という効果しかないのでは。

 家人の見るところでは、小学校には7時頃には先生が来ているし、夕方は9時10時まで残業をしている。
 ところが、朝と夕方は始業終業の決まりがあるので、外から電話がかかっても出ることは無いそう。
 父兄からは「教員は楽でいいね」と揶揄されることがあるらしいが、実際には長い時間働いている、とのこと。

 ま、そりゃそうだ。
 例えば、自由裁量制だと、名目は「コアタイムには出ている必要があるが、あとは個人の自由で働く」のが建前だ。
 だが、実際に起きているのは「エンドレス」の労働時間だ。
 「能力」ってのはかたちには見え難いから、「どこまでやればよい」という目安が無い。そうなると、会社が求めるものに対してという視点が中心になり、経営者優位、管理者優位の「働き方」になってしまう。上司に求められるままに、夜昼、休日返上で働くしかない。
 それなら、「何時から何時まで」が決まっているブルーカラーのほうがよっぽどましだ。

 安倍政権は、以前、非常勤職員の待遇改善のために、「一定年数働いたら」常勤にしなくてはならないという法律改正を行った。
 ところが、その後は、その年限が来ると非常勤職員が「解雇される」という結果を招いた。
 表向きは制度に従っているわけだが、労働条件の改善とは程遠い。面倒臭い労働者を排除するようになっただけ。

 ちなみに、短大なんかだと、4年制大学よりも常勤教員の待遇が良くて、専任講師で年収は1300万を超えている。教授はもちろん、それより上。
 ところが、専任や教授は週に3コマくらいしか講義をせず、かと言って研究らしい研究もしていない。講義は専ら非常勤講師がやっていて、週に13コマとか16コマとかを90分1万5千円(文系)から3万円(理工系)の間で務めている。
 専任になるかどうかは、業績よりもコネのほうが重要だ。
 この制度が出来たら、非常勤講師が3年くらいの勤続で解雇されるようになっている。
 ま、短大や無名私立大学は、数年先にも「存亡の危機」を迎えるから、いくらかでも経費を抑えてという発想になるから、それも当たり前だろう。
 いずれ学校数が半減に近い状態になる。

 政治家はアイデアだけだし、政策は高級官僚が作るから、労働実態がまるで見えていない面がある。
 ま、安倍政権は終始一貫して「きれいな言葉で飾る」性癖があり、実質的には「ド下手な」手を打ち続けていると思う。(ま、基本的には、労働者ではなく企業の代弁者だが。)
 下手にいじくらいないほうがはるかにましだと思う。