◎夢の話 第701夜 検診
20日の午前零時に観た夢です。
我に返ると、俺が居たのは病院の中だった。
この辺、壁を一瞥しただけで、病院はわかる。それだけ、日頃より馴染んでいるということだ。
「コンドーさん」
すぐに呼ばれた。
何となく返事をしたが、待合の椅子には他に誰も患者が座っていなかったからだ。
(この辺は、さすが夢の中だけに、自意識が漠然としている。)
医師の前に座る。
医師は俺の顔を見ると、「どんな調子ですか?」と訊ねた。
「これから検査しても大丈夫ですか?」
検査?俺ってどこか悪いのか。
「は?検査するんでしたっけ」
すると医師は顎で奥を示した。
「カメラの準備は出来ているけどね」
奥の部屋には、診察台となにやら器具が見える。
なるほど。胃か腸の内視鏡検査を受けるのか。
着替えをしていないところを見ると、これからさっと術着に替えるのだろうから、胃カメラのほうだな。
最近、何年かぶりに煙草を吸ってみたが、吸い付けないものを吸ったので、イの調子がおかしくなってしまったのだ。
なんとなくそのことを思い出した。
胃カメラか。この医師、ド下手じゃないだろうな。
ヘタクソな医師に当たると、えらく苦痛を感じる。
「ええ。まあ」
ま、別に他にはさしたる症状も無いし、大丈夫かも。
「じゃあ、やりましょうか」
医師はせっかちな性格らしく、すぐに看護師に命じて、俺を奥の処置室に誘った。
そこで、上を術着に着替えた。
すぐに医師がやって来る。
「はい。行きますよ。口を開けて」
何だか、とんとん拍子にことが運んで行く。
医師がカメラを差し入れると、案外するっと喉の奥に入った。
しかし、俺はここで気が付いた。
どうやら少し風邪気味だったらしく、鼻が詰まっていたのだ。
「ううう。息ができ※※※」
言葉にならない。
「はい。ちょっと我慢してね。すぐに通るから」
医師は俺の様子に気付かず、カメラを奥に差し込む。
「息が※※※※!!!」
俺は夏場に池の水面に浮かび上がってあえぐ金魚のように、口をあわあわと動かして空気を吸おうとしている。
ここで覚醒。
胃の調子が悪いのと、冬のアレルギーで鼻が詰まっているのとを合わせ、こんな変な夢になったのだろうと思います。