◎人生は浪花節: オジュウチョウサンの話題
盛岡の病院では、オヤジ看護師と馬券の話で盛り上がります。
「近くに住んでいるから、有馬のオジュウチョウサンを見に行けていいね」
おいおい。俺の心臓じゃ、中山に行くのはヤバイって。
でも、ひとまず、「そりゃ見なくちゃね」と答えます。
オジュウは障害競馬の大スタアで、たぶん、G1だけ出てれば、あと5億は稼げる。
それをわざわざ平地で走らせるのは、馬主に夢とロマンがあるからだ。
もちろん、日本人の7割は『水戸黄門』が好きだから、オジュウが平地G1に挑戦するのだって、もろ手で応援するわけです。
「ま、順当にいけば、ケツから1着2着。前半のペースについて行けず、3角では最後方だろうが、スタミナはある。だから、そこからどれくらい前に行けるかってとこじゃあないの」
「所詮は条件馬だから当たり前だけど、やっぱり応援するよね」
「勝てない」とは思っていても、皆が記念馬券を買うから、単勝は1.3倍とかになる。まさか1.1倍だったりして。
「人生は浪花節だから、俺が馬主なら騎手は障害の石神のままで行くね。買っても負けてもコイツと心中だ」
「でも、周りは面白くないよね。条件馬にG1を攫われ、記録も記憶も獲られたんじゃあ癪に障る。俺が岩田なら潰しに行く。それこそ、今流行りの煽って煽って、で競り潰す」
「なるほど。だから武豊を起用するわけだ。そういう攻めぎあいなら得意だろ」
「外人騎手は『我関せず』で勝ちを取りに行くだろうから、ここは武だ。俺は嫌いだが、やっぱり武だな。横ノリじゃない」
結論は「もちろん勝てないだろうが、最後の直線でオジュウが5頭7頭と追い抜いてくれれば大満足」もしくは「ターフに立って、ゲートを開けて出てくれればそれでOK」でした。
これもやっぱり浪花節でござんす。
早く来い来い有馬記念。