日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎どこかで聞いたような筋書き

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◎どこかで聞いたような筋書き
 家人の趣味は、ペーパークラフトです。
 この季節になると、家人は胸飾りにする花を作り始めます。
 卒業式の時に、6年生の胸に飾るためのもので、十数年前に「制服だと殺風景だから」という理由で作り始めました。
 1校の卒業生が百数十個なので、2校になるとかなり大変らしいです。
 何年間か、持ち出しでプレゼントして来たのですが、最近は「材料費だけは払ってもらえるようになった」とのこと。
 もちろん、当人はそんなことはどうでもよいと思っていることでしょう。

 3年前の卒業式の後、校長先生が家人を呼び止めたそう。
 「あの胸飾りですが、ひとりずつ大きさも違えばかたちも違う。色もバラバラです。皆同じにしたほうが良いんじゃないですか」
 これに家人は「生徒たちはこの先、ひとり一人が自分なりの生き方をしていくことになります。他の人と見比べたりすることなく、自分の人生を実現して欲しいという思いを込めて、あえて変えてあるのです」と答えたそう。
 校長先生は「そうですか。それは結構なことです」と褒めてくれた、とか。

 家人は普段はボケナスなのですが、たまに鋭いことを言ったりやったりします。
 その時は、ダンナも「こいつは先生に向いてるなあ」と感心したのです。
 しかし、数ヵ月後、このことを思い出してみると、何だかどこかで聞いたことのある筋のような気がします。
 つい最近、気が付きました。
 「これって、『世界にひとつだけの花』だよな」
 コイツ。歌を聞いていて、応用しやがったな(苦笑)。
 ま、流れに載せて、当たり前のことを、特別なことのように整えて言うと、同じことには聞こえません。
 校長先生もダンナも、思わず感動させられてしまったわけです。
 この辺を上手に使いこなせると、一流の詐欺師になれます(さらに笑)。

 でもま、「自分なりの生き方をしろよな」という価値観は正しいと思います。
 自分と他人と見比べて、一喜一憂することほど愚かしいことはありません。