日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎当てたひとの「その後」

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◎当てたひとの「その後」
 病院の看護師に、同じくらいの年恰好のオバサンがいる。
 一番下の子が高校生だから、当家とさほど変わりない。
 そういうこともあり、気軽に軽口を言える相手だ。
 今日、そのオバサン看護師が俺に訊ねた。
 「宝くじを買いました?」
 「ジャンボなら少しだけ買った。1枚でも十枚でも買わないと、切符と同じで、仲間に入る権利が無くなる。ま、千枚でも1万枚でも確率的には同じだから、窓口で1枚だけ買い、抽選日まで妄想するのが正しい買い方だ。でも、売り場で『1枚下さい』とは言えんから、結局十枚買うということだ」
 ジャンボは予定調和で、自ら選ぶことが出来ないから、1枚買って末等を当てる練習をするのが正しいあり方だと思う。

 「私の親戚に当てたひとがいるんです」
 「へえ。『当たった』と話したの?」
 「売り場の人に『すぐにタクシーで銀行に行って。危ないから』と言われたんだって。周りに人がいたけど、中に知り合いもいたから、全部ばれた」
 なるほど。売り場で見て貰い、「当選しました」と言われたという流れです。
 デジタルの表示に「高額当選しました」と出るらしい。
 「売り場の人にそう言われるとなると、百万や1千万くらいじゃないね。1億円以上だ」
 「そうです」
 その後、その人がどうなったかと言うと、想像の通り、すぐに高級車を買ったりと、贅沢をするようになったらしい。
 ま、当たり前だ。
 結局、すぐに使い果たしたけれど、身に付いた贅沢はなかなか落とせないから、当選金と変わらないくらいの借金が出来たということだ。
 「それだけじゃなく、離婚したのよ」

 ま、親戚や近所にばれてしまったら、ことある毎に言われるだろうし、隠す必要も無い。
 車を買い、贅沢をするようになると、外に女が出来る。
 「お金には匂いがあるから、それを嗅ぎ付けた女が寄って来る。もちろん、普段目にするより、ちょっと高級感のある女性だから、やはりちょっかいを出す。ちょっかいだけでなく金も出す」
 で、結局は家庭崩壊。
 「一旦お金を崩し始めると、もの凄く早いスピードで無くなってしまう。1万円でも1億円でも同じこと。半分遣った後はなおさらだ。50過ぎた後の春夏秋冬と同じだね」
 ま、1年くらいの間は触らないのが一番だ。
 それくらい経つと冷静になっている。
 その後は「1年当たりいくら」と決めて、何をやるにも「その範囲内」でやるようにすると、案外長持ちする。
 「ま、そういう心配も当たってからだけどね。色んな騒動が起きても、当たってこそだもの」
 たとえ「毒饅頭」だろうと、毒があるかどうかは食ってみなければ分からない。
 
 ここで結論。
 「ああ。そういう面倒なことを経験してみたいわね」
 まったくなこってす。

 画像は誰もいない病院の待合室。
 冬場はインフル感染者が溜まっているので、足早に通り過ぎます。