日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎ガラモンさん帰る(377)

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◎ガラモンさん帰る(377)
 木曜に病棟に行くと、「ガラモンさん」が戻っていた。
 「ガラモンさん」は俺と同じ病棟の患者だ。
 茶髪のカーリーヘアの感じが怪獣の「ガラモン」を思い出させるので、俺は心中でこう呼んでいる。いつも小奇麗にし、太ってもいないから、単に俺だけの思い込みだろう。
 さすがに口に出して言ったことは無い。
 帰り際に、病院の出口のところにガラモンさんがいたので、少し話をした。

 ガラモンさんは2ヶ月前のその日、透析治療中に心筋梗塞を発症し、救急搬送されて循環器の専門病院に向かった。
 すぐに処置室に入れられたのだが、そこで心停止したらしい。すぐに蘇生処置をされ人工心肺装置をつけられた。
 心臓の冠状動脈が2本完全に塞がっていた、とのこと。
 なんとかカテーテルで血管を通したが、それから20日間はICUにいてチューブに繋がれていた。その後、一般病棟に戻り、ひと月半そこにいた。

 俺はあの日、何となく「ガラモンさんは死ぬだろうな」と思っていたが、実際、一度は死んだらしい。
 それなら俺の仲間だ。
 「俺も心停止の経験があるから、貴女は会員番号ナンバー2です」
 「ハートショック48」(もう古い)よりも、「心停止クラブ」の方が良いから、これから同じ仲間で仲良くすることにした。
 「いやあ、死んだかと思いましたよ」と言おうかと思ったが、まだ軽口に耐えられないかもしれんので、言わなかった。
 ま、次は心臓が止まった後の話だ。
 たぶん、ガラモンさんも、俺が見たのと似たようなものを見ていると思う。
 「お迎え」の人影も見たかもしれない。
 ま、いずれじっくり。
 ガラモンさんはずっと寝たきりだったので、体が半分に痩せていた。

 冷静に考えると、ガラモンさんはもの凄く強運だ。
 もし自宅で発症していたなら、たぶん助からない。
 元々、重い持病を持つ患者で、病気のことは詳しいし、何と言っても、発症したのが病院の中だった。半キロ先には循環器では埼玉西部で一二の専門病院がある。
 やはり、「5分遅ければ助からなかった」とのこと。
 ま、心停止してから脳が死ぬまでの時間がほぼ5分だから、その通りだろう。
 1月に俺も心不全を発症したが、やはりその病院の中で、循環器の担当医の診察を受ける直前だった。
 何だかやはり「ツイてる」と思う。
 「心停止クラブ」は「強運の証」なんだな。

 「良かったですねえ。わがことのように嬉しいと言うけれど、自分や家族と変らないくらい嬉しいです」
 そう伝えると、ガラモンさんは幾度も「有難う」と頭を下げていた。

 帰路は飯能の桜を見に行ったのだが、あそこは2、3度気温が低いので、まだニ分咲きだった。
 そりゃそうだ。画像はその時のもの。
 高麗神社に参拝したが(377)、異常は何もなし。
 いよいよ危機を脱そうとしているが、まだ気は抜けない。
 何せ俺の方も今日は50くらいまで血糖値が下がった。
 運転していたりすると結構ヤバイのだが、そこはそれ、病院の中だし。

 帰宅してすぐに横になると、久々に夢に死霊が出た。
 「十日も出なけりゃ、どうなったのかと思うだろうに」(笑)。
 夢としては悪夢だが、ただの夢ではないと分かった今は、別段、不快でもなくなった。話を聞いて欲しけりゃ、いくらでも聞く。寝てる間ならね。
 癒してやるから、順番に彼岸に向かうとよい。

 画像は飯能・原市場エコスの後ろの川と、日高・高麗神社の桜。