◎大根餅
たまたまテレビを点けたら、大根餅のレシピを紹介していた。
大根を摩り下ろし、片栗粉を加えて捏ね、焼くだけだ。
「そんなの。美味いわけがなかろうに」
でも、頭で考えるのと現実は違うよな。
ほとんどの人は頭で考え、そこで判断を下すが、それはあくまで想像の話。観客席で見える世界と、バッターボックスに立つのとは全然違う。
「それなら、実際に確かめてみるしかない」
やはり、持ち前の悪い癖が出る。
こういうことをするから、時間が余計にかかるし、足踏みも多い。
で、作ってみた。
大根をおろし、少し下味をつけて、片栗粉を混ぜ、丁寧にこねる。オリーブオイルを引いて、焦げ目がつくまで焼いた。
事前の予想では、「おでんの大根を潰したような味」になるのではないかと思っていたが、やはり全然違う。
「こりゃ確かに違う」
食味も柔らかいし、大根特有の匂いがほとんどなくなっていた。
「煮る」のと「焼く」のでは、成分に違いが出るのかも。
淡白であっさりしているので、もち米の餅をイメージすると、やや物足りない。
だが、海苔を巻いてみたら、つまみにはちょうどよかった。
タレは砂糖醤油でもいいし、広島風たこ焼きみたいに出汁を潜らせても言いと思う。
何と言ってもダイエット食だし。
奥の手は、どこかで柚子を使うことだろうと思う。
緩めにして、ほのかに甘味をつけ、柚子の香りを載せたら、お茶うけにはかなりイケルのではないか。
ちなみに、緑色のは抹茶を混ぜてみたもの。大根と抹茶の双方の風味が相殺されるので、これはダメだった。
今のところ、海苔で巻いて砂糖醤油がピッタリ。
やはり、考えるだけではダメで、実際に手を出してみて、初めて具体的な長所・短所が分かって来る。
糖制限で餅が食えない人は多いだろうけど、こいつは食える。片栗粉少量ならカロリーも低い。