日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎仙人鉄鉱山 会所札

イメージ 1

イメージ 2

◎仙人鉄鉱山 会所札
 「仙人峠」は、和賀と釜石の双方にあり、鉄鉱山は双方に存在していた。画像は鉱山で使用された預切手で、確か和賀のほう。庚午とあるので、明治2年に発行されたものだ。
 印判はただの文様でなく、文字をデフォルメしたもので、印章(判子)で用いられる技法だ。意味があるが、解読資料をどこかに紛失してしまった。

 この札は「仙人」と字面が良く、発行数も少ない希少札だから、人気の方も高い。
 一貫文はそれなりに存在しており、市価で概ね4、5万くらいからになる。一度ヤフオクに出品されており、3万弱くらいで落札したが、出品者はこの札のことを知らなかったと思われる。落札できた人は幸運だ。
 ネットオークションのユーザーは従来の収集家と層が少しずれる。こちらは「拾い食い専門」の性向(性癖?)があり、名の知れた、格別安価な品に手を出す。希少品は案外な値段で落ちたりするから、ネットを避け、一般オークションや専門誌に出す方が良さそうだ。

 五貫文は難穫品で、市場で見ることは無い。取引例もほとんど無いから、値段が付けられない。よって売り手と買い手が合意した値段となる。盛岡切手の細札(こまさつ)か八戸藩札に匹敵するくらいの希少さだと思う。
 ま、一貫文の2倍程度が下値になるが、もちろん、その近辺では落札できない。
 金種は、さらに五百文というものもあるが、小額なこともあって、さらに希少だ。これを実見したことのある人は少ない。

 これまで半年以上も寝たり起きたりだったから、コレクションが少しずつ出て行く。老後に1枚ずつ処分しようと思っていたが、その老後が来ない感じなので、別段、特別な感傷は無い。
 しかし、風格のある古札だから、何となく出品手続きをするのが遅くなるきらいはある。
 当方自身は、双方で16-18万で買っているが、それも五貫文1枚分で、一貫文はオマケみたいなものだ。
 買った値段と合うか合わないかは、もはやどうでもよい。
 また買い手が付かなければ、博物館に寄付するつもりなので、大幅な値引きもしない。

 盛岡と花巻の希少札の方は、概ね寄付することにした。
 私財を投入して集めたものをあっさり寄付するのは、他に誰も持っていない資料が含まれているためだ。
 そういうのは一般の目に触れさせた方がよい。

 でも何となく釈然としないから、腹いせに、役人や政治家の悪口を散々言おうと思う。