日刊早坂ノボル新聞

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(北斗英雄伝)狼煙は津軽から

「九戸戦始末記 北斗英雄伝」の舞台は、青森県三戸から岩手県二戸を中心に、岩手郡や閉伊郡までの範囲となります。
公式ホームページでは情報を公開していますが、メディア報道は皆無。書店流通ルートにも乗っていませんので、まさに知る人ぞ知るの状態です。
5月初旬の紙本の提供を開始したのですが、北奥地方の図書館にはランダムに贈呈しこそすれ、販売展開に繋がりそうな活動は無いと言って良いほどです。
 
今は3週間が経過しましたが、毎日、青森県からウェブ注文が入っています。
しかも、なぜ本作のことを知りえたのか、不思議に感じられる地方からです。
共通点は、いわゆる津軽地方だということのみです。
 
本作の基調テーマは、各所で表明している通り、「不屈と再生」です。
もっと具体的に言うと、田舎に住み、「じくじたる思い」を抱いている人のために書いたものです。
この場合、「イナカに住み」は、もちろんマイナスの意味を持ちません。
私自身が山奥の出身で、かつ繰り返し挫折を経験してきた者だからです。
しかし、当然、「そうはいくかい」、「このまま静かにしているものか」という思いはあります。
 
今現在、書籍を注文していただいているのは、市ではなく町村に住む皆さんです。
私と同じ、「イナカ人の心に響けば良いな」という思いを待ちながら執筆しましたので、それが岩手県ではなく青森県だということに少々驚きつつも、しかし当然だろうという気もします。
 
本作の登場人物の中に身を置くとすれば、私自身は三好平八になります。
三好平八は、織田信長明智光秀に使え、羽柴秀吉配下の木村吉清に仕えますが、どうにも馴染めずに、戦陣から欠け落ちた者です。
無為に生たことへの絶望感から諸国をさすらうのですが、巨悪に立ち向かう五右衛門党に、まさに「引き寄せられるように」加わります。
中年の侍は、そこで生まれかわり、人生にきらめきが戻ってきます。
 
今、改めて、本作のメッセージを届けるには、紙媒体ではダメだということを思い知りました。
当初の構想に返り、電子書籍のセッティングを急ごうと思います。
どうも有り難うございます。
 
でも、狼煙は今まさに上がり始めたばかりです。
他のイナカからも上がると良いですね。