2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧
天正十九年九月三日夕刻。 宮野城の大手門が開き、九戸政実が現れた。 政実は、浅野長吉、蒲生氏郷の二人に向かい、はっきりした口調で己の考えを述べた。 「この戦を終えるに当たり、それがしが求める事の一は、この先、南部大膳の領地が損なわれる事の無…
其の十九 北斗妙見の章 要約(その2) 天正十九年八月晦日巳の下刻。 蒲生軍が口火を切り、宮野城への総攻撃が始まった。布陣はそれ迄と同じで、南から大手門方面へは蒲生軍主力と堀尾勢が当たった。また東からは井伊、浅野勢に加え、蒲生の増援軍が取り付…
其の十九 北斗妙見 ( みょうけん )の章の要約(その1) 「妙見」とは「物事を見通す優れた力」の意で、善悪や真理を見通す者ということである。妙見菩薩は、他の印度仏教を由来とする菩薩とは異なり、中国の星宿思想に基づき北極星を神格化したものである(…