日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

新刊・連載情報

◎令和六年年頭にあたり

◎令和六年年頭にあたり 皆さま明けましておめでとうございます。 大晦日から元旦にかけて、私は原稿(『花のごと』)を書いていました。 年明けから数時間が経過して、少し仮眠を取ったのですが、その時に夢を観ました。 通常、「初夢」は元日の夜に観る夢の…

◎怪談 第六話 「覗き窓」 (あらすじ)

◎怪談 第六話 「覗き窓」 (あらすじ) ある小学校で起きた話だ。 五年生が三クラスあったのだが、各々の担任は一組が小林先生(女性)、二組が仲飼先生、三組が庄司先生(2,3組は男性教諭)という先生たちだった。 この小学校は創立百年を超える古い学校…

◎怪談 第五話 『ほどが淵の河童』

◎怪談 第五話 『ほどが淵の河童』 <概要> 七年ぶりに郷里を訪れ、墓参りをした。 墓所からの帰路に、ふと思い立ち、かつての実家の周囲を見て回ることにした。 子どもの頃は、小学校に通うのに、毎日、「甚平衛坂」を上り下りした。その頃は児童が何百人か…

『北奥三国物語 鬼灯の城』 ─巫女・杜鵑女の視点によるあらすじ─ 

『鬼灯の城』 終盤の人物関係図 『北奥三国物語 鬼灯の城』 ─巫女・杜鵑女の視点によるあらすじ─ この物語は、現在、「盛岡タイムス」紙にて連載中です。よってまだ完結しておらず、以下は試作段階(基本セット)のものとなります。追って、確定記事を公式ウ…

◎「賽の河原」で子どもたちが「小石を積む」理由 (『鬼灯の城』ノート)

◎「賽の河原」で子どもたちが「小石を積む」理由 (『鬼灯の城』ノート) あの世に関わる伝承のひとつが「賽の河原」だ。 水子や幼児が親に先立つと、この世とあの世の境目にある「賽の河原」で、一日中小石を積む。 しかし、夕方になると、地獄の鬼や羅刹が…

北奥三国物語 鬼灯の城 其の十二 瓦解の章

北奥三国物語 鬼灯(ほおずき)の城 其の十二 瓦解の章 ◆要約 ◆解説「瓦解の章」の意図 ◆「瓦解の章」の背景 ◆著者雑感 ◆其の十二 瓦解の章 要約◆ 釜沢に敵の兵団迫る 福田・切田連合軍が釜沢まで十里圏内に迫った。 重清は四方に物見を送り、前衛となる目時館…

◎家紋で困った

◎家紋で困った (『北奥三国物語 鬼灯の城』ノート) 戦国南部家臣の東中務が「三百騎をもって釜沢館に駆け付けた」と書く段になり、手が止まって三日目になる。 ちなみに、東中務は「信義」(地方史では「直義」となっている)のことで、後の「朝政」に該当…

◎獄門峠 ─盗賊の赤虎が大猿退治に加勢する話─ 

◎獄門峠 ─盗賊の赤虎が大猿退治に加勢する話─ 本日十一月十日、『九戸戦始末記』公式HPに『獄門峠』の導入部分をアップしました。 ◆著者による紹介文◆ 本作は未公表作品である。長編ということもあり、まだ買い手がついていない。 元々、『隠し砦の三悪人』…

「北奥今昔物語」シリーズ 『芦名橋』 早坂ノボル

「北奥今昔物語」シリーズ 『芦名橋』 早坂ノボル 本日九日、公式HPに『芦名橋』を公開しました。 ◆著者による紹介文◆ 本作は『姫神雪しぐれ』(文芸社、平静18年)に収録した短編小説である。 同著は、岩手県央から少し北の風土や文化を踏まえた物語が…

◎『明治橋奇譚』        早坂昇龍

◎『明治橋奇譚』 早坂昇龍 本日、『九戸戦始末記』公式HPに『明治橋奇譚』をアップしました。 『明治橋奇譚』 ◆著者による紹介文◆ 本作は平成27年10月より12月まで盛岡タイムス紙に掲載された短編小説である。 井ノ川円了&森下林太郎のコンビが再結…

◎北奥今昔物語シリーズ 『海濤 ─民話「魚の女房」より─』

◎北奥今昔物語シリーズ 『海濤 ─民話「魚の女房」より─』 標記の短編小説(未公表)をHPにアップしました。 ◆著者による紹介文◆ 本作は未公表作品である。北奥地方の媒体に寄稿しようと思ったが、相手先が見つからなかった(要するにボツ原稿)。 この物語は…

◎『怖谷奇譚』              早坂昇龍

◎『怖谷奇譚』 早坂昇龍 本日、HPにアップしました。 ◆著者による紹介文◆ 本作は平成25年10月7日より12月30日まで盛岡タイムス紙に掲載された短編小説である。 赤虎シリーズは『九戸戦始末記─』のスピンオフ作品なのであるが、これはさらにそこから…

◎「盗賊の赤虎」年代記

盗賊の赤虎シリーズ 人物相関図と年代記 ◎「盗賊の赤虎」年代記 腹を括って、四五年を経過した作品については、順次、ウェブで公開していくことにした。 ただ、既に公表済みのものの中には、版権を先方に渡したものがあるので、少しヒヤッとした。改めて確認…

◎『驟雪 ─盗賊の赤虎が最期を迎える話─』

◎『驟雪 ─盗賊の赤虎が最期を迎える話─』 本日、HPにアップしました。 ◆著者による紹介文◆ 『九戸戦始末記 北斗英雄伝』においては、弟の仇敵を討つために、盗賊の赤虎が伊勢屋を襲撃する。本作は、その場面を厨川五右衛門ではなく、赤虎の側から眺めたスト…

◎『無情の雨 ─盗賊の赤虎が地獄を訪れる話─ 』 早坂昇龍

「盗賊の赤虎 」シリーズは『九戸戦始末記 北斗英雄伝』よりスピンオフした作品群である。画像は二戸宮野(九戸)城。。 ◎『無情の雨 ─盗賊の赤虎が地獄を訪れる話─ 』 早坂昇龍 標記の中編小説を、『九戸戦始末記 北斗英雄伝』公式HPにアップした。 ◆筆者に…

◎『島の女 ─盗賊の赤虎が奥州平泉で鬼女と戦う話─』   早坂昇龍

達谷窟 ◎『島の女 ─盗賊の赤虎が奥州平泉で鬼女と戦う話─』 早坂昇龍 『九戸戦始末記』公式HP(http://www.goemonto.rexw.jp/shima03.html)に本作をアップした。 本作は平成24年9月より12月まで盛岡タイムス紙に掲載された中編小説である。 盗賊の赤虎…

◎「盗賊の赤虎」シリーズの公開開始

◎「盗賊の赤虎」シリーズの公開開始 「盗賊の赤虎」は『九戸戦始末記 北斗英雄伝』の作中で創作した架空のキャラクターだが、独自の世界観の下でサイドストーリーを構築してある。 現在、続編の執筆を開始したが、現在のコロナの影響や自身の体力を勘案する…

『北奥三国物語 鬼灯の城』 其の十一 鬼灯の章 (要約)

釜沢の風景 『北奥三国物語 鬼灯の城』 早坂昇龍 其の十一 鬼灯の章 (要約) ※盛岡タイムス紙にて合戦中。 福田館では人が慌ただしく動き回っている。このところ、盗賊の捕り物があり、その後の家士の変死がありと、出来事が重なったためだ。 福田紫十郎は…

◎『鬼灯の城』11 「鬼灯」の章 前段概要

◎『鬼灯の城』11 「鬼灯」の章 前段 『鬼灯の城』はいよいよクライマックスに差し掛かった。 盛岡タイムス紙面では今はちょうどこの辺になる。 夏が来て、鬼灯の花が咲くようになる。 桔梗は重清の子を孕むが、次第に体調が悪化する。 それもその筈で、杜鵑…

◎北奥三国物語 鬼灯の城  中盤のあらすじ

◎北奥三国物語 鬼灯の城 中盤のあらすじ 汚名 和議の儀の前日。 釜沢館、目時館の双方で、互いに相手を攻め落とす手順を密儀していた。 杜鵑女と桔梗は、各々の狙う相手を毒殺する方法を思案する。 当日になり、杜鵑女が隣室に潜み、聞き耳を立てていると、…

◎「花は咲く」ノート  天保飢饉の惨状

盛岡藩内で作られた密鋳銭の事例 ◎「花は咲く」ノート 天保飢饉の惨状 文政期にも幾度か不作、飢饉の年はあったのだが、天保期にはこれが最高潮に達した。 天保三年から連続して四五年の間は、作物がほとんど収穫出来なかった。 とりわけ、天保五年の飢饉が…

◎「花は咲く」(仮) 一戸より出た天保銭

一戸より出た山内銭と称浄法寺銭(いずれも中字) ◎「花は咲く」(仮) 一戸より出た天保銭 少しずつ次作『花は咲く』(仮)の準備を始めることにした。 まずは物証から少しずつ取り揃えていく。 図は20年以上前に一戸の商家から出た天保銭だ。 代々の商家…

◎『鬼灯の城』 リスタート

盛岡タイムス12月5日付 『鬼灯の城』小粋と釜沢の風景 ◎『鬼灯の城』 リスタート 盛岡タイムス紙上で、12月5日から『鬼灯の城』の連載が再開された。 昨年の12月に体調を崩してから、ここまで戻るのにほぼ一年を要したことになる。 生き物はいざ最期…

◎「花は咲く」

◎「花は咲く」 楢山佐渡は幕末の盛岡藩家老だが、弱冠二十三歳でこの職に就いている。 元々、要職の家柄だったし、叔母が藩主利済の室だから、次の利義、その次の利剛とは従兄弟だった。部屋住の立場で加判役となったが、この時に三閉伊一揆が起きた。 この…

◎北奥三国物語 鬼灯の城 其十 怨霊 (要約)

◎北奥三国物語 鬼灯(ほおずき)の城 早坂昇龍 其十 怨霊 (要約) 九戸党による「三城攻撃」を発端とする攻防戦が一段落すると、合戦は小休止に入った。 そこで、南部信直は、北信愛、浅野庄左衛門に諮り、関白秀吉の許に使者を送ることを決めた。この上洛部…

◎「鬼灯の城」 第十章 怨霊 (最初の裏切り)のプロット

◎「鬼灯の城」 第十章 怨霊 (最初の裏切り)のプロット 半年の間、体調が最悪で、「鬼灯の城」の連載が止まっていた。床から起きて書こうとするのだが、エネルギーが続かない。 とりわけ、どうしても書けなかったのが、「櫛引城の戦い」の場面だ。 基本的な…

◎移行しました

とりあえず、ヤフーブログから移行してみました。 ひと月ふた月使ってみて、具合がよいようなら続行しますが、並行して「独立したウェブサイトにする」案も検討します。

◎『鬼灯の城』再開に向けて 「浅野庄左衛門のこと」

◎『鬼灯の城』再開に向けて 「浅野庄左衛門のこと」 浅野庄左衛門は、浅野長吉の家来で、盛岡藩とは縁の深い人物だ。 しかし、藩史に断片的に記述されているだけで、どのような人物かはほとんど知られていない。 忌み名も「忠政」の他、数通りが伝えられてお…

◎『北奥三国物語 鬼灯の城』 これまでのあらすじ(杜鵑女編)

◎『北奥三国物語 鬼灯の城』 これまでのあらすじ(杜鵑女編) 杜鵑女(とけんにょ)は元の名を夕月(ゆうづき)と言う。薬種商人の家に二女として生まれ、他に姉と弟の姉弟二人がいる。 夕月が四歳の時に、父親が重い病を患い、商いが立ち行かなくなった。 両親…

◎『鬼灯の城』 女性の境遇

◎『鬼灯の城』 女性の境遇 4ヶ月前に渡した原稿がようやく紙面に(8月2日)。 ここでやっと本来のテーマが明らかになります。 平安時代には、南アジア型の女系社会で、女性の地位が高かったのに、武士の台頭と共に、その地位が下がって行きます。 杜鵑女…