◎北奥今昔物語シリーズ 『海濤 ─民話「魚の女房」より─』
標記の短編小説(未公表)をHPにアップしました。
◆著者による紹介文◆
本作は未公表作品である。北奥地方の媒体に寄稿しようと思ったが、相手先が見つからなかった(要するにボツ原稿)。
この物語は、岩手県雫石地方の民話『魚の女房』を翻案したものだ。
構図としては『鶴の恩返し』によく似た内容となっているが、こちらの方が「田舎臭い」味わいがある。
◆あらすじ◆
漁師が網に入った魚を不憫に思い、その命を救ってやった。
すると、数日後に、漁師の家をひとりの女が現れた。
女は病気だったので、漁師が休ませてやったが、幾日か経つと、女は漁師の妻になっていた。
この妻は料理が上手で、この藩の家老がわざわざ足を運んで食べに来るほどだ。
そのおかげもあり、漁師はとんとん拍子に裕福になって行く。
しかし、漁師にはひとつの疑問があった。
それは、女房が「けして厨房を覗いてはダメです」と、料理をするさまを見せようとしなかったことだ。
ある日、漁師はついに我慢できなくなり・・・。