「北奥今昔物語」シリーズ 『芦名橋』 早坂ノボル
本日九日、公式HPに『芦名橋』を公開しました。
◆著者による紹介文◆
本作は『姫神雪しぐれ』(文芸社、平静18年)に収録した短編小説である。
同著は、岩手県央から少し北の風土や文化を踏まえた物語が出来ないかと考え、地元に根付いた素材を利用した作品を集めた短編集となっている。
地味な作風で、発行当時は大して売れなかったが、いまだに毎月、リクエストが来る。
既に絶版であり、さすがに入手は困難なので、少し手を入れ、ここに添付するものとした。
◆あらすじ◆
文政年間、南部(盛岡)藩での話である。
馬場街の芦名橋の袂に住む利助が嫁を世話して貰うことになった。
その嫁の名はお末と言ったが、夫婦で仲良く働き、子宝も授かった。
娘の名はお新と名付けた。
家族で仲良く暮らしていたが、奥州一体を飢饉が襲った。
文政を越え、天保年間に入っても飢饉が続き、ついに餓死者が出るまでになった。
女房のお末は死すが、利助は「どんなことがあってもお新のことを育て上げよう」と決意する。しかし、飢饉は断続的に発生し・・・。
『芦名橋』