日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

怪談

◎ようやく手が離れたが

◎ようやく手が離れたが 眼が急に見えなくなった時から四五か月が経過するが、体のあちこちに掴まっていた手がようやく離れた。 実質的には、二年前の「稲荷の障り」から断続的に続いていたようだ。僧侶の悪縁を追い払ってから半年くらいは小康状態だったが、…

◎冬は「黒いひと」の季節

◎冬は「黒いひと」の季節 例年、十一月の終りから二月いっぱいまでの間が「あの世月間」で、この世の者ならぬ者が頻繁に現れる季節になる。おそらく空気が乾燥しがちなことと関係している。 幽霊を含め、「あの世の者」はひとの可視域の境界線上にあり、普段…

◎夢の話 第1103夜 学校の怪談

◎夢の話 第1103夜 学校の怪談 二十五日の午前三時に観た夢です。 我に返ると、「事務室」と書かれた扉の前に立っていた。 自分が置かれた状況をゆっくりと思い出す。 ここは小学校で、俺はこの学校にある資料を見せて貰いに来たのだった。 この小学校の校庭…

◎後で思い出すと解釈に困る体験

◎後で思い出すと解釈に困る体験 津波の後、数年が経ってから、東日本各地の線量の計測をしていた。「政府の公表数値に嘘があるかもしれん」と考えたからだが、埼玉から岩手に帰省する度に一般道を通り、ついでに青森や秋田まで行っていた。 太平洋側の沿岸の…

◎幽霊は自ら悟らぬ限りそのまま

◎幽霊は自ら悟らぬ限りそのまま ひとが死んで肉体が滅びると、魂だけの存在となる。自我(心)には自我のルールがあり、何らかの感情が求心力になり、一定の意識を保つ者もいる。 多くは自然に解体され、意識(感情)の記憶は断片的なものになるのだが、恨み…

◎夢の話 第1K97夜 「シンカの女」

◎夢の話 第1K97夜 「シンカの女」 一昨日16日の朝に観た夢です。 幼馴染のケンゾーの家は集落の外れにある甚平衛坂の上にあった。 屋号は「松の下」だ。 ケンゾーは猿面だったが、その外見の通り、野山のことには詳しかった。 このため、山歩きをする時…

◎「学生寮の出来事」の裏話 本当はかなりヤバかった

◎「学生寮の出来事」の裏話 本当はかなりヤバかった 「学生寮の出来事」は、保谷の学生寮の出来事について、怪談風に記したのだが、その頃の当事者は日々生起している事態を把握できぬので、今にして心底より「ヤバかった」という実感がある。 物語風に記す…

◎怪談 第二話 「学生寮の出来事」

◎怪談 第二話 「学生寮の出来事」 九月五日から始まっていたようだ。これは浪人生時代に経験した実話を脚色なしで忠実に記録したもの。 人生で「腰を抜かした」経験が二度ある。この場合の「腰を抜かす」は比喩ではなく、実際に腰が抜けて歩けなくなる状態の…

◎怪談 第六話 「覗き窓」 (あらすじ)

◎怪談 第六話 「覗き窓」 (あらすじ) ある小学校で起きた話だ。 五年生が三クラスあったのだが、各々の担任は一組が小林先生(女性)、二組が仲飼先生、三組が庄司先生(2,3組は男性教諭)という先生たちだった。 この小学校は創立百年を超える古い学校…

◎小さな一歩

◎小さな一歩 二年以上の雌伏期間を経て、ようやく創作活動に復帰した。 ごく小さな一歩に過ぎぬが、この二年の間は一度ならず、「自身の死」を覚悟した。 今も状況は変わっておらず、多臓器不全症のありさまで、眼疾で前はよく見えぬし、四十分も椅子に座っ…

◎怪談 第五話 『ほどが淵の河童』

◎怪談 第五話 『ほどが淵の河童』 <概要> 七年ぶりに郷里を訪れ、墓参りをした。 墓所からの帰路に、ふと思い立ち、かつての実家の周囲を見て回ることにした。 子どもの頃は、小学校に通うのに、毎日、「甚平衛坂」を上り下りした。その頃は児童が何百人か…

◎この数日に起きた出来事の顛末

◎この数日に起きた出来事の顛末 ◎御堂観音 (八月三日SNSに記載) 叔母に蕎麦を送って貰ったので、御礼の電話をした。叔母はある意味、「あの世友だち」で、忌憚なくあの世の話が出来る数少ない相手だ。 ま、叔母自身がよく夢に色んなものを観る。 義理の甥…

◎『怪談』の背景(続)「磯女」

◎『怪談』の背景(続) 『怪談』シリーズは、概ね実際に起きた出来事を背景にしている。 ただ、「物語として括る」ために、実際にはない「落ち」を付けたり、かたちを変えたりしている。 ショートストーリーとしてのまとまりを得るためだが、このため、あっ…

◎『怪談』シリーズの背景

◎『怪談』シリーズの背景 「第1話 赤い服の女」 実際の体験談をもとに、妄想を膨らませたもの。今回は場所を遠野から東に向かう峠道(旧道)と設定した。よって概ね笛吹峠か仙人峠だが、「旧道」という表記をすると、多くの人は仙人峠の方をイメージすると…

◎「ほどヶ淵の河童」の話

◎「ほどヶ淵の河童」の話 人は「生れ落ちてから死ぬまでの記憶を詳細に仕舞い込む」そうだ。 忘れるのは「整理箪笥の中に仕舞う」だけで、無くなりはしないらしい。 最近、四十年以上前のことを不意に思い出すが、意識しなかったことを詳細まで憶えていた。 …

◎夏の恐怖体験 「岬」の追記事項

◎夏の恐怖体験 「岬」の追記事項 「岬」の端に立つ和食屋の話で、気が付いた人は殆どいないと思うが、外の上空で雷が鳴り稲光が光った。 この時、室内で窓ガラスの方を向いて、その反射光で人影が映ったのなら、「鈴生りの顔」はガラス窓の外ではなく室内に…

◎座敷童のいる屋敷の話

◎座敷童のいる屋敷の話M家のケース 岩手県のK町には「旦那さま」の血筋がふた系統あり、そのうちの片方がM家だ。 「旦那さま」とは、いわゆる豪農のことで、町を二分するほどの地主だった。 農地改革の時に土地は分断されたが、そもそも豪農が形成されたのは…

◎夏の恐怖体験2)岬にて

◎夏の恐怖体験2)岬にて 夏期に実際に経験した恐怖体験を記す。この出来事については、幾度かブログに書いたが、改めて整理したうえで、追って恐怖小説に直そうと思う。 これは息子がまだ一歳の時の出来事だから、二十年以上前の話になる。 一家で北奥の奥入…

◎夏の恐怖体験 「白河カーナビ事件」

◎夏の恐怖体験 「白河カーナビ事件」 夏は怪談の季節だが、本物の幽霊は冬に較べ夏の方が少ない。これは湿度とか光の影響だが、出難い季節なのに「それでも出る」のは「よほど強烈なヤツ」と言うことだ。 物事にあまり動じない私だが、この季節に肝を冷やし…

◎ついに周囲が「小鬼」の存在を認める

◎ついに周囲が「小鬼」の存在を認める 四日火曜は通院日。 朝、自分のベッドに座り、順番を待つ間にこの日のビデオをセットしようとした。 何せ前後含め最低五時間は横になっているから、普通の映画なら二本ほど観られる。 音が周囲に洩れぬように、イヤホン…

◎「怪談」シリーズ 第七話 「真夜中の宴会」

◎「怪談」シリーズ 第七話 「真夜中の宴会」 幾度か地名を隠して記したが、もはやかなりの年月が経ち、その場所も人も替わっていると思う。 ここでは極力実名で記す。 これは私が大学生の時に体験した話だ。 シュラフひとつを持ち、青函連絡船に乗って、北海…

◎霊感のある人とない人の違い

◎霊感のある人とない人の違い 題名はやや「釣り」気味で、霊感自体は誰にもある。一方、特別な霊能力などというものは存在しておらず、単純に知覚範囲が広いだけだ。視角の場合は、可視波長域が少し広いのだが、近視や遠視を能力と呼ばぬのと同様に、その人…

◎ガラス窓に映る人影

◎ガラス窓に映る人影 「あの世」ウォッチングを本格的に始めたのは、ほんの小さな偶然からだった。 心臓の治療の後、長らく体調が優れぬままだったが、神社猫のトラに会うことを励みにして、「トラの神社」に通うことにした。(当事者に迷惑をかけぬよう神社…

◎何ひとつ解決していない (644)

飯能 能仁寺にて ◎何ひとつ解決していない (644) 昨夜、午前三時頃に階下に降り、コーヒーを淹れようとしたら、すぐ近くに「黒いひと」が立っていた。 従前は「カウンターの陰に女がいる」ことが多かったのだが、今回は「黒いひと」がまともに出た。こ…

◎実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」 4)女が後をついて来る話

◎実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」 4)女が後をついて来る話 人によっては「ちょっと」ではないかも知れぬ。 この女のことは、ブログやSNSに繰り返し掲示している。 あの世の実在を示す「分かりよいケース」だから、説明が楽だ。 既に記したことを再編…

◎実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」 3)人形が声を上げる

◎実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」 3)人形が声を上げる 実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」の続きになる。 最近、次女が転職し、自宅通勤に替わって、一緒に暮らすようになった。 この次女は、五六歳くらいまで、時々、幽霊を見ていた。 幼児には、…

◎実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」 2)扉が開かなくなる話

◎実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」 2)扉が開かなくなる話 脚色を避け、事実に即した出来事をなるべく平坦に記す。怪談まで行かず、日常の中で起きた「ちょっとした怖い話」程度の内容となる。 2)扉が開かなくなる話 かなり昔のことだが、出先で、かつ…

◎実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」 1)カーナビが山中に導く話

◎実際に体験した「ちょっとだけ怖い話」 幽霊について、怖ろしい局面だけに眼を注ぐのは、あまり適切ではないと思う。 ライオンや鰐は怖ろしいようでいて、実は自分なりの生を生きているだけだから、ライオンや鰐そのものを怖ろしい存在と見なすのは、確から…

◎「怪談」 第十話 岬の家

◎「怪談」 第十話 岬の家 「怪談」は「夢の話」や様々な人の体験談を元に、「本当にあった、みたいな作り話」を再構成したものです。 第十話 岬の家 前田キャリーは外国籍の女性だ(二十五歳)。日本人と結婚し、日本国内に住んでいる。 日本で暮らすように…

◎怪談 第九話 池の畔に立つ女

◎怪談 第九話 池の畔に立つ女 怪談は「夢の話」や体験談を基に、実際にあった(みたいな)怖い話に再構成するものです。 これは二十年前に実際に体験したことだ。 私は古貨幣の鋳造技法について調べていたのだが、たまたま鋳銭地近くの旧家ゆかりの人と知り…