日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

おバカな話シリーズ たばこ1箱1千円 その2

たばこ1箱 1千円のナンセンスなところは、ビジネスとしての煙草産業のことを全く視野に入れていないところです。

現状でたばこ1箱が平均300円とすると、そのうちの175円が税金となってます。
このたばこ1箱を売ったとすると、販売店にどのくらいの利益があるか、知っていますか?
たばこ1箱を売って、店に入る粗利はなんと20円前後ですよ。
(100円くらいじゃないかと思っていたでしょ?)
自動販売機なら、その20円、30円の中から電気代やら必要経費を捻出しなくてはならないのです。
ダンボール1つで店の粗利は数千円で、そのうち何個か万引きされると利益が吹っ飛んでしまいます。
現状でも、見かけよりはるかに利の薄い商売です。

1箱1千円で価格を設定するなら、値上げによって禁煙する人の割合を考えると、販売店の利益を200円から300円くらいになるように上げないと、とてもやっていけません。
第1に、資本回転の問題があります。1カートンで1万円ということはダンボール1箱なら50万円以上です。販売機1台分なら300万とか500万とかいった規模になってしまいます。
そうなると、商売を続けられるのは、一部の大企業だけになることでしょう。
それだけの資本を準備できない町のたばこ屋さんは、皆、店を閉めるはずですね。

小泉内閣以来、「改革」という名前を使って、多くの権利・権力を大資本に渡してきましたが、国民もいい加減眼を醒まさないと。
この政治家たちは全部ニセモノですよ。

さらに安全上のリスクの問題もあります。
もし私が泥棒なら、たばこ1千円時代には、金融機関を襲うより先に、たばこの自動販売機を壊しますね。
あるいは輸送トラックを襲えば、現金輸送車を襲うに匹敵するくらいの金額になってしまいます。
コンビニ強盗なら、レジでなく、「おい。そこのたばこをこの袋に詰めろ!」てな具合でしょう。

1箱1千円にすれば税収がどうたらとか言う以前に、経済全体を見わたしたらどうでしょうか。
本当にあきれた話です。