日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

ニュースの裏側 「岩手県議、病院でキレるの巻」

岩手県議の某が、中央病院で自分の名を呼ばれた時、名前でなく番号で呼ばれたそうな。
そこで、その県議某は、「ここは刑務所か。オレには名前がある」とかナントカ言って、キレたとの話です。
本人は、後になり陳謝したとの話ですが、ここの問題は、その県議個人の生活感や人生観だけではないようです。

県立中央病院は、県内の総合病院で、おそらくワースト上位の1、2位の評価になるようです。
なぜなら、ここは「医者が信じられないくらい横柄な態度を取る病院」として有名になってます。

具体例を挙げます。
私の母は盛岡市内在住ですが、「以前は中央病院に通った時期もあったが、2度と行かない」と言います。
これは次のような実体験によります。

数年前に、母が体調が悪くなり、中央病院で検査を受けてもらうことにしたのです。
看護師に案内され、母はある医師の診察室に入りました。
しかし、看護師の案内が悪かったようで、そこは別の診察室でした。
医師は母とカルテを一瞥して言いました。
「お前はここじゃない。〇〇番に行きなさい」
この「お前」という呼び方に母は怒り、即座に「2度とこの病院には行かない」という決断をしたのです。

専門的職業の人は、自分と同じような境遇の仲間しか知らないことが多く、時々、社会常識の欠落した人がいます。
イナカ県・市町村の役人とか、弁護士、医師、教員などですね。
普段は部下に対し、「お前」呼ばわりしているのでしょうが、外の社会では通りません。
「優秀な頭脳」に「貧しい知恵」の組み合わせです。

ま、そういう組織の中では、皆が同じような頭になってしまいます。
このため、この病院のことを、「県立中央天狗病院」と呼ぶ人が実際に沢山います。

それでも、以上のことは一面的な話です。
この病院は、医師の数が少ないため、医師は昼勤夜勤とフル稼働です。
医大なら研修医や学生がフォローしますが、ここは医師だけが頼りです。
よって、医師たちは「神経がおかしくなるくらい」働いています。
忙殺されているがために、つい患者が犬猫に見え、「お前」と呼んでしまうのです。

医師が少ないことは、診療体制に影響を与えます。
この病院では、待ち時間が「ハンパなく長い」と言うのも定評になっています。
眼科は全国どこでも長いのですが、ごく普通の内科でも3、4時間は当たり前のようです。
「待ち時間3時間で、診察2分」も、この病院の評判ではよく言われることです。

そうなると、かの県議某もむべに「モラル欠如」と責めることは出来ないような気がします。
診察を待ちに待っていたのに、「〇〇番」と呼ばれ、スイッチが跳ね上がったということでしょう。
メディアでは「岩手県議、病院でキレる」しか報道されず、この県議のモラル欠如ぶりがめだちますが、しかし、様々な状況が絡み合っているのです。

結論はひとつ。
「すぐ傍に岩手医大があるんだから、研修医を回してもらって、経験の場を与えろよな」
「お前ら」は頭が良いんだから、それくらいわかるだろ。
(最後は少々、母の意趣返しです。)

オマケには高学歴の人間をへこます言葉。
「〇大を出ておいでなのに、今は○○とは御苦労なさってますね」
きっと数秒間は静かになります。
ただし、反撃される前に、トットと逃げる必要があります。
帰り際にとどめのひと言。
「気分を害されたらごめんなさい。〇〇先生は、すごく立派なかたなので、こういうところにいるべきではないと思うのです。私はずっと応援しています」

これは、イナカ県庁の役人には最も有効ですね。
イナカ県庁では学閥がいまも存在しており、どこの大学出かを異常なくらいまでに気にします。
もちろん、T大出は、どこの県でも大体いばってます。
そこでひと言。
「T大出なのに県庁にお勤めとは、大変ご苦労なさっていますね」

ま、そういう方々が大切に思っているプロフィールのほとんどは、世間では通用しません。
ドコソレ大学を出ていることは、相手には何の関係もありません。
表面は頭を下げるかもしれませんが、陰では「あのバカ」と呼ばれます。

ちょっと脱線しました。
私は元コンサルタントですが、この仕事はこういうやり口を考える仕事でした(苦笑)。