日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第204夜 カーナビが墓地に導く

これは昨夜、夕食後に少しの間寝入った時に見た夢です。

岩手から高速道路に乗り、東京に向かっています。
3時間以上、休まずに運転しましたので、少々飽きてきました。
カーナビを切り替えて「距離優先」にしてみます。
もちろん、宇都宮辺りまでは、さしたる変化はありません。一般道に下り、近道を通るのは、関東に入ってからです。

S市の近くに達したら、突然、カーナビが「左に進め」と示します。
高速を降り、国道に行けという意味です。
「あれ?まだ高速のほうが直線的に移動できるはずだけど」
不審に思いますが、退屈し切っていることもあり、下に降りてラーメン屋にでも寄ろうかと考え直しました。

国道に下りると、今度は「左に曲がれ」という指示が出ます。
その方向は、地図のように北を上に見ると、ちょうど真東に当たり、東京からは遠ざかってしまいます。
「何なに?どういうこと?」
最短距離で進むのとは真逆の方向なので、却って興味を覚えてしまいました。
「じゃあ、しばらく付き合ってあげよう」
よほど退屈していたのです。

車は何度か左右に曲がり、S市の中に入ります。これで、完全に東京方面とは別方向です。
街の中に入ると、カーナビは「左に」「右に」を繰り返し、市内の込み入った住宅地を行ったり来たりしました。
さらに繁華街の同じ路地を、2度ほど通りました。
さすがに、「これじゃあ、おかしくね?」と思い始めます。
そこで、カーナビの指示を無視し、南下しようとしました。
南に向かえば、いずれにせよ東京方面に向かいます。

すると、カーナビは声高に「300胆茲魘覆れ」、「この交差点を曲がれ」と繰り返します。
うるさくてたまらないので、一旦、カーナビを切り、ヤマ勘で車を走らせました。
結局、すっかり道に迷ってしまい、道はどんどん暗く、狭くなっていきます。
なにやら、山の中の方向に進んでいるような感じです。

「いかんなあ。これでは完全に迷子になってしまう」
そこで仕方なく、もう一度、カーナビにスイッチを入れました。
今度はカーナビの推奨通りに進むことにし、自宅を目的地に設定し直しました。
高速に戻ってくれさえすれば、あとは真っ直ぐです。

今度はカーナビも比較的静かに方向を指示し始めました。
何となくほっとして、言われるまま先に進みます。
ところが、依然として道は暗く、遂には細い一車線道路に入ってしまいました。
「こんな道じゃあ、対向車が来たら、すれ違うのもままならないぞ」
しかし、そんな心配は無用でした。
回りには人家が無くなり、街灯の無い道は真っ暗です。こんな道に対向車なぞ来やしません。
「これで本当に、東京に向かっているのかな」
だんだん不安になってきます。

車が坂を上り始めました。
小山の上に向かっているのです。
「この先進んでも、絶対に広い道には出ないよな」
うすら寒い思いがします。
「もうこれ以上、カーナビを頼りにはしてられない」
どこかで方向転換して、前の場所に戻ることにしました。
道はいよいよ険しくなりますが、急に前方に2、3台分の駐車スペースが開けました。
山の斜面を切り崩して、車を停められるようにしてあります。
道はそこで終わりで、行き止まりになっていました。
「ああ、良かった。ここで方向転換できる」
車をその駐車スペースに入れ、ハンドルを切り返しました。
そこで、何気なく斜面の上の方を向きました。

ライトに照らしだされたその斜面には、何百もの墓石が並んでいました。
ここは墓地だったのです。
「うひゃあ。ひどいところに来ちまった」
すると、それまで黙っていたカーナビがここでひと声口を開きました。
「目的地に到着しました。音声案内を終了します」
瞬時にカーナビを切り、アクセルを思い切り踏みつけ、その場所を離れました。

ここで覚醒。

夢判断の入る余地はありません。
ただの夢ではなく、過去の実体験をそのままなぞる夢でした。
何年か前に、南東北のS市を通りかかった際に、実際に経験したことです。
唯一違っているところは、カーナビが「目的地に到着しました」と言うところだけです。
これは夢なので、記憶が自らを脚色してあるのでしょう。
それほど怖ろしい思いをしました。
行き止まりで止まったら、そこが墓地だったので、大慌てで引き返したという経過になっています。危うく道の脇の崖から落ちるところでした。

その後、2か月の間に、2度続けて追突事故の被害に遭ったので、神社でお祓いをしてもらいました。