◎医療用大麻
少し前に、逮捕されつつも、「医療用大麻を認めるべき」と言っていた元女優がいた。
ま、一般の人は「あれは自分が使いたいのを隠すためだ」と思っている人が大半だと思う。
実際、あの元女優は健康そうで、病気の苦痛なんかとは無縁のよう。
あれで逆に、医療用大麻は、解禁から遠ざかると思う。
本当に、医療用大麻が必要な者にとっては、エライ迷惑だ。
病気で苦しんでいる人には、まるで意味が違う。
苦痛を鎮めるためには、最初は鎮痛剤を処方される。これは麻酔と同じだが、効き目が弱いときには、徐々に強い薬に移行する。
麻酔の強いものは、麻薬とほとんど同じ成分なのだが、モルヒネなんかははっきりとした副作用がある。
(まあ、大概の薬には副作用があるが。)
痛みを軽減するために、体のどこかをさらに痛めることになる。
ところが、大麻には副作用がない。
そこで、鎮痛剤の代わりに、医療用大麻を認めている国があるわけだ。
それなら、とっとと承認すればよいと思う。
治る見込みが無く、死を迎えるまで苦痛が続く患者は多い。
闇雲に延命させて苦痛を長引かせるより、少しでも患者の苦痛を軽減するしくみがあれば良い。
「死ぬ自由」が認められないのだから、「穏やかに死ぬ自由」くらいはあってもよいのではないか。
「健康な者が流用して使う惧れがある」などという反対論が出そうだが、それは健康な人の話で、死に行く患者には関係ない。
私も長患いで、今や目が覚めるのは、悪夢を観るか、体のどこかに苦痛を感じることによる。
「痛いのは生きている証拠」だとも思うが、さすがにそれにも程度がある。
今日みたいに、苦痛で起こされ、そのまま何時間もうめいている時などは、心底から「医療用大麻を解禁してくれないか」と思う。