日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第742夜 交差点で

◎夢の話 第742夜 交差点で
 28日の午前4時に観た夢です。

 バス停に走ったが、間に合わず、すぐ目の前でバスのドアが閉まり、バスは走り去ってしまった。
 「ありゃま、残念」
 しかし、すぐ後ろに、後続のバスが来た。
 俺はそれに乗って、一番前の席に座った。

 道は混雑していたが、渋滞することなくスムーズに進む。
 「こりゃ、案外、早く駅に着きそうだ」
 俺はこれから電車に乗り、母に会いに行くのだ。
 ここで我に返り、自分の手足を見ると、俺はどうやら27から30の間くらいだった。
 そういう服装をしている。

 バスが交差点で停止した。
 信号が赤に変わったのだ。
 広い交差点で、四方向が総て四車線以上だった。先が詰まっていたのか、前のバスが交差点の中で停止した。
 すると、すぐ後ろの女性客が、「きゃあ」と声を上げた。
 「飛行機が落ちて来る!」
 左に目を向けると、上の方に旅客機の姿が見えた。
 旅客機はエンジンから火を噴出しながら、ゆっくりと降下して来る。
 「あれじゃあ、この辺に」
 ちょうど、前で交差する道の左側から、この交差点あたりに落ちる目測だ。

 「ああ。ダメだ」
 この瞬間に「終わり」を覚悟した。
 こういう時、咄嗟には体が動かないものだ。ま、よしんば動いたとしても、バスの外に出たところで、頭の上に降って来るから、あまり変わりは無い。
 乗客の皆が無言になり、黙って旅客機を見詰めた。

 すぐに旅客機が降下して、道路の上に落ちて来た。
 意外と小型の機種で、百人乗りくらいのサイズだ。
 目の前の危機があまりに確実だと、案外、冷静に状況を眺めるものだが、この時の俺もそうなっていた。
 旅客機は両翼の先をビルの側面で擦りつつ、目の前の交差点に落下した。
 交差点には前のバスがいる。
 旅客機はそのバスを「バリバリ」と押し倒しながら、右側のビルの向こう側に姿を消していった。
 すぐに爆発するかと思ったが、それが起きない。
 「なるほど。機長が燃料を総て捨てたから、あまり燃えなかったのだ」

 ひと呼吸置いて、皆がざわつき出した。
 「助かった」
 「絶対にダメだと思ったけど」
 俺はバスを下りて歩き、交差点を右に曲がった。
 すると、見たとこ被害は前のバスくらい。それも、かたちを留めているから、乗客の被害も最小限だった模様。
 機長の操縦技術が天才的だったわけだ。
 「まるで、夢の中のような光景だな。でも、死傷者は出るだろう。あのバスに乗っていれば俺がその被害に遭っていた」
 
 旅客機が空の上にいる時に連絡が入っていたらしく、救急車や消防車のサイレンが聞こえて来る。
 野次馬がいると迷惑になるから、俺はこの場から離れることにした。
 まずは専門家をすぐに現場に着かせることが先決だ。
 消防車が人垣で停まっている間に、旅客機が出火するかもしれんからな。

 俺はバスで来た道を後ろに戻り始めた。
 この先の駅には、もう行けないから、ひとつ前の駅に行こうと考えたのだ。
 少し歩くと、さっきの事故が無かったかのような穏やかな街の景色に行き当たった。
 「ここはどこだろ。俺の田舎なのか、それとも」
 色んなところに少しずつ似ている。

 「チリンチリン」と自転車のベルが鳴った。
 後ろを振り向くと、高校の同期のM君が自転車に乗っていた。
 高校の時の制服のような黒ズボンに白シャツを着ている。
 「あれ。Mじゃないか。元気だったか?」
 「おお。今、俺急ぐからごめんね」
 M君は俺の脇をすり抜け、ひたすらペダルを漕いで、先の方に進んで行った。

 「あいつは何故ここにいたんだろう」
 ま、それはともかく、俺も先に進まないと。
 この先の角を右に曲がると、たぶん駅に向かう。
 2キロほど歩いたが、これで電車に乗れる。
 早く母の見舞いに行かないとな。
 
 しかし、角を曲がった瞬間に、俺は何故か「母はもう亡くなっている」気がした。
 ここで覚醒。