日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

烏啼きの朝

しばらく前に、叔父が亡くなったことを書きました。

昨年叔父は2回目の心臓のバイパス手術を受け、手術自体は無事成功したのです。
術後の経過も良好で、1ヶ月ほどで普通の生活に戻ることが出来ました。
ところが、あまりに体調が良いので、叔父は桃やプラムの畑を見に行った。そうすると、入院中手入れをする者がいなかったので、畑は荒れ気味です。収穫直前の時期で、果実が熟しすぎるのを見るに見かねた叔父は働き出してしまいました。

亡くなる日の朝には、叔父の家の周囲に烏が何十羽も集まり、盛んに啼いたと聞きます。
烏がまさに自分の家の真上で啼くので、叔父は叔母に向かって「死人が出る時には、烏が集まって騒ぐと言うが、まさかオレが死ぬという暗示ではないだろうな」と冗談を言ったようです。

その日、叔父はケースに何箱も桃を収穫し、トラックに積み下ろししたのですが、夜半に心臓の具合が悪くなりました。救急病院に運ばれましたが、その後意識を回復することなくそのまま亡くなりました。

「あの日は、本当に家の真上で烏がうるさく啼いたのす」
彼岸の焼香に訪れた際に、叔母が語ってくれた話です。