日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

放蕩息子の帰還

先週の土曜夜には、高校同窓会の集まりがあり、例によって朝帰り。
しかし、翌日はみちのくの某所にて会議がありました。
ほとんど眠らずに新幹線に飛び乗り、会議場へ。
会議の後、夕方に実家に寄りました。

玄関を開けると、老母が所在無さげに、ひとりで椅子に座っていました。
視線を上げた母に、私の方から声を掛けます。
「用事があったから、帰った」
母の表情はほとんど変わりません。
「ほ。何食う?」
「別に何でもいいよ」

シャワーを浴び、居間の床に寝そべっていると、母は玄関の方でなにやら焼いていました。
首を伸ばし、ドアの隙間から覗いてみました。

母は納戸から七輪を出し、炭を熾しています。
そろそろ旬の鰹のタタキを作っているのでした。
滅多に家に帰らない放蕩息子でも、やはり息子には変わりなかったのでしょうか。

そこで1首。

納戸より 取りいだしたる 七輪で
初鰹炙る 親心痛し
              (姫神山人)

昔から素っ気無い母の振る舞い方ですが、心が痛み、そして癒されました。
いくら母子とも年を取っても、子は子なのですね。
やっぱり、長らく「親の心子知らず」でした。
今ではもちろん、ほんの少しだけはわかります。

ちなみに短歌は純全たるど素人で、ヘタクソです。