日刊早坂ノボル新聞

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郵便局不正事件の疑問

 このところ厚労省の元局長(事件当時課長)さんが無罪になったニュースが、毎日報道されています。
 しかし、私の周囲では、まったく別のところに関心が集まっています。
 
 事件当時、書類を偽造したと見られる担当者は、今回無罪を勝ち得た課長(当時)さんのまん前の机に座っていました。
 許認可に関わる書類なので、担当者と課長さん、及びその上(部長さん?)くらいまでの確認印が押されることになるはずです。行政の内部文書には、必ず3つから5つ位までの押印欄が設けられます。
この確認印が無いと、書類が発効しないのが役所のしきたりです。
 
 もし書類を偽造した担当者が、勝手に上司のハンコを使い捺印したとなると、その方が大きな問題ではないか。
 そのことは「形式上、捺印されてはいるが、実はデタラメな文書」が、この件だけではなく、これまでずっと横行してきた」ということを示しているのではないでしょうか。
 
追記)
 ひとつ1つの書類にいちいち眼を通しハンコを押すには、行政の管理職は多忙過ぎます(事実上、無理)。このため、絶対に本人決済のいる案件以外を処理するために、「普段は認印を部下に預けている」、もしくは「誰でも分る所に入れておき、本人不在でも、必要に応じて部下が開けて押すのを許容している」とするのが、実際のところだろうと思います。
 そうでないなら、役所の中では書類を偽造する行為は発生し得ないわけです。
 当事者の問題以外に、システムとして「起こるべくして起きた」ものだろうし、また表には出ずとも、今現在も同様のことは起きていることでしょう。 
 ここでは、ことさらそれを非難しようと言うのではなく、今の仕組みの中では「必ず起きるだろう」と言っているのです。
 
 ここで視点を替えると、現時点では言い難い状況ですが、自分の部下だった男が、自身の名を使い許認可書類を偽造したのなら、行為には全く関わっていなくとも、やはり管理者としての責任はあるだろうと思います。それが組織のルールです。