日刊早坂ノボル新聞

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(世界柔道)不屈の心が報われた日

24日の世界柔道では、女子57kg級の準決勝が、佐藤愛子選手と松本薫選手の対戦でした。
両選手とも、過去に試合中に負傷し、悔しい思いをした選手同士ですので、巡り会わせを感じます。
 
佐藤選手は、北京五輪の時のアクシデントが、今も記憶に新しいです。
膝のじん帯を痛め、起き上がれなくなったのですが、選手生命以上に、「その後の人生で再起できるかどうか」という敗れ去り方をしました。
佐藤選手は、両耳がいわゆる「カリフラワー耳」になってます。それ程まで日々練習を重ねてきたということで、それが、あの試合での負傷惨敗によって、心が完全に折れ、くじけてしまうかもしれない。
しかし、そんなことはなく、3年の月日の後、負傷を克服して、再度カムバックしてきました。
こういう選手は、応援せずにはいられません。
 
松本選手も、2009年の世界柔道で右手の甲を負傷し、準決勝、3位決定戦とも1本負けでした。
ただし、こちらはすぐに立ち直って、翌年の世界チャンピオンになってます。
この松本選手のあだ名が「殺人鬼」。これは格闘家として、最高級の異名ですね。
「悪魔」とか、「死神」などの異名は、誉め言葉の極致です。
 
好きな選手2人の対戦は、佐藤選手の完全勝利でした。
今回ばかりは、苦労の重さと、それを乗り越えてきた不屈の精神力で、佐藤選手の方が勝っていたかもしれませんね。
 
佐藤選手は、決勝での1本勝ちの直後、涙を見せていましたが、これまでの経緯を知る者は皆、感動を覚えたことだろうと思います。
私は、きっと佐藤選手本人より前、相手の背中がくるっと回った直後には、もうポロポロと泣けました。
よく頑張って、立ち直ったなあ、この人。
本当にスゴい。
カリフラワー耳は、「女性なのに可哀相」とも思いますが、世界チャンピオンになったので、これからは隠さなくとも平気ですね。
次は、来年のオリンピックで、佐藤選手にとって、きっと最後の戦いになるのでしょう。
頑張れ!ずっと応援するぞ。