日刊早坂ノボル新聞

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今にしてわかる石原戦略

石原慎太郎氏が、今年の中盤から、妙に橋下・維新を持ち上げるなあと思っていたら、なるほど、この勢力を「乗っ取る」という腹積もりがあったわけですね。
維新は、政策的にはアマチュアの域を出ず、実現化を想定していないグランドデザインのみなので、老獪な石原氏にとっては「くみし易し」だろうと感じます。
しかし、石原氏はいかに威勢よく吠えようとも、旬はとっくの昔に過ぎた政治家で、「これが15年前なら面白かった」と思えるほどです。
キャバクラに、薹の立ったバーサンが化粧をし直して出てきても、客はやはり退いてしまいます。
おまけに思想は過激なので、石原総理が実現した日には、すぐに戦争準備が必要になりそう。
 
維新の橋下氏は、「なんでも白黒をつける」商売をしてきたので、歯切れだけは良い。
これを実行力と見間違う国民が出ても、仕方がないところです。
 
つい数日前に、ある女性と世間話をしていて、「第三勢力ともてはやされても、政策的には、民主党よりはるかに下の下。これを支持する人はどれだけボケナスなのか」という話になりました。
すると、その女性は、「国民はそれほどバカではないので、人気と投票とは違う」との意見でした。
そりゃ、そうですね。
民主党は、少なくとも、「実現しよう」、あるいは「実現するにはどうしたらよいか」を考えながら国会運営を進めていたわけですが、第三勢力で「実現するにはどうすればよいか」を考慮しているのは、「みんな」と「たちあがれ」のみです。
 
「国民の生活・・・」も「維新」も、所詮は政局思考しかありません。
地方主義を謳う政党が、「全国に落下傘候補を出す」ということ自体、主義思想がほつれていることの証拠です。
「日本の統治機構を変える」そうな。
「統治」って、オマエはいつから王様になったわけ?(最近の口ぶりを見ると、もはや、すっかり王様になってますけど。)
腹が立ちますね。こういう口先だけの輩は。
 
橋下氏は1年くらい前には、「年金制度は今後維持できないので、納めた金を1人ひとりに返して、制度自体をやめてしまおう」と言っていたような記憶があります。
この辺は朝令暮改の政策提言ばかりなので、正確に調べる気持ちも起きません。
基本がポピュリストなので、平気で言うことが真逆に変わります。
 
「政治は理念(基本デザイン)を作るのが役割で、実行は官庁が担う」という考え方でいるなら、「政治主導」なんか到底無理だろうと思います。
復興予算を、法令の言葉尻の拡大解釈で、「ダダもれ的に」使おうとするのが官僚です。要は本質的にずるがしこい悪人なのです。政治が、「なにをどこまで実現するか」を見通して、ガチガチに用途を決めておかないと、いいように食われるだけですよ。