日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第225夜 列車の旅

昨夜、夕食後に仮眠を取った時に見た短い夢です。

気がつくと、私は駅のホームに立っていました。
車両を連結し直すために、30分ほど停車することになったので、ホームの物売りから鶏の串焼きと暖かいスープを買ったところでした。
「随分長い間、旅をしてきたなあ」
スープをすすります。

「いったい、ここはどこなんだろ」
夢の中なので、現実には存在しない場所で、これまで行き来した様々な地の雰囲気を少しずつ併せ持っているようです。
ちなみに、夢の中にいますが、「今は夢の中」にいることも自覚しています。

ブフーと水蒸気が上がります。
ディーゼル機関車と思っていたのですが、実際は蒸気機関車でした。

その蒸気の向こうから、人影が現れます。
「待った?」
「うん。少しね」と答えます。
現れたのは家人でした。
その家人は20年前の姿をしています。

「これまで長い間、旅をしてきたけれど、結局、またお前と一緒に乗ることになるよな」
これまでも何度か、同じ列車に乗ったことがあるような気がします。
家人は何も言わず、ほんの少し微笑みました。
「また行けるところまで一緒に行こうか」
「うん」

列車に乗り込みます。
機関車の頭の方には、「C---」という型式が書かれていました。

ボックス席に、2人向かい合って座りました。
「また一緒に乗れたね」
家人はがさごそと音を立て、カバンの中から食べ物を取り出します。
「そうだね」と呟きます。

でも、一緒にいられるのも少しの間です。
すぐに、また別々になってしまいます。
窓の外を見ると、夜空に星が瞬いていました。
「きれいだね」
「本当だね。いくら眺めても飽きない」
しばらくの間、星を眺め、視線を前に戻すと、家人の姿は消えていました。

少し、ホッとします。
「このまま遠くに行くのは、今はオレ1人で良い。お前は息子や娘たちともう少し人生を楽しみな」
窓を少し開けると、涼しい風が吹き込んで来ました。

ここで覚醒。

目覚めて最初に考えたことは、「ああ、やっぱりオレが先に死ぬんだな」ということです。
少し安心しました。