日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第226夜 高校の校舎で

夕食の支度をした後、テレビの前に座ったら、そのまま眠りに落ちていました。
これはその時に見た短い夢です。

目が醒めると、どこか教室の中にいました。
「ああ、ここは高校の校舎だな」と感じます。
かつて卒業した母校のつもりですが、校舎のつくりは実際のそれとは違っています。

教室の中は、冬期の夕方みたいな暗さです。
何となく、「卒業してからウン十年も経つ。記憶が薄れて来てるから暗いのだな」と思います。
この辺は、いつも夢の中なのに「今は夢の中にいる」という自覚があるのです。

視線を前に戻すと、目の前の椅子に1人の女子が座っていました。
高校時代に付き合っていた彼女です。
どうやら、別れ話の途中だった模様です。

元々コイツは、縁があるのか薄いのか、人生の折々に現れては去って行くヤツでした。
「またお別れだね」
「ウン」
ま、仕方がないよな。環境も整わなけりゃ、土台、性格もまるで合わないもの。
(じゃあ、なぜ付き合ったのか、その理由をうまく説明できませんが。)

この女子は、思い出した頃になると、目の前に現れます。
「お前みたいに、気まぐれに現れては去って行く女は、けして1人じゃない。大学の時のだって、20台の頃のだって、オレにはいるわけなのよ」
もちろん、「沢山」とは言いません。
十年に1人くらいの割合なら、けして沢山ではありません。
オレは元々、ひとり1人を大切にするほうだし。

「でも、今度は最後かもしれないわよ」
「そうかもな」
確かに、これからは思い出さなくなるかもしれません。
オレの命は残り少ないし、今生での出会いは終わりなのかも。

それ以前に、自分の心境に変化が起きています。
1年くらい前に、眼疾のためほぼ全失(完全失明)に近い状態になった時のこと。
通院の度に、家人に手を引いてもらいました。
誰かに支えられなければ、1歩も前に歩けない状態になってみて、初めて人は変わります。
「30歳を過ぎた男は変わらない。女は生涯変わらない」と言いますが、やはり人にはいつか目が醒める時が来るようです。
今生で自分が添い遂げる女性は1人しかいません。

「いつの日か、偶然、道で会ったら?」
「たぶん、次は軽く会釈をして、通り過ぎる」
ここで「ふふ」と女子が笑います。
「良かったね」
「ああ」
今のように、体を壊さなければ、死ぬ間際まで何ひとつ悟れずに終わったかもしれません。
いろんな「こだわり」を脱ぎ捨てられるようになったのは、きっと良いことですね。

「じゃあ、サヨナラ」
「うん。元気でな」
女子は背中を向け、教室の外に出て行きます。

校舎の中には人の気配が無くなりました。
何となく、ホッとした気分です。

ここで覚醒。

この日は、昼に郵便局に行ったのです。そこで具合が悪くなり、椅子に座り込んで動けなくなりました。局員を呼び、「救急車を呼んで貰おうか」と思うような状態でした。
小一時間ほどで回復しましたが、やはり「死出の旅路」はそろそろ終わりに近いような気がします。
しかし、それを感じると共に、色んなものが見えて来るような気もします。

ところで、夢の中に出てくる最初の異性は「自分自身の分身」だと言います。
あの同級生女子は、私自身が私を諭しているのだと見なすのであれば、なるほど納得です。

と言いつつ・・・。
この後、再び眠りに落ちたら、今度は再び予知夢(お告げ)でした。
けして欲望が無くなって来たわけではないようですね。
あるいは、どうしても私にお金を渡そうと思っているオバケがいるのかもしれません。
こりゃ、この件が落ち着くまでこのまま眠れないぞ。