夢の話 第550夜 ろくでなし
27日の午前1時頃に観た夢です。
夢の中の「オレ」は新聞社に勤めている。
新聞社と言っても、業界紙に近く、さらにオレは文化面の担当で、世間の風潮を面白おかしく紹介する記事を書いている。
日頃は「取材」と言っては、街を徘徊し、酒を飲み、博打を打ち、女にちょっかいを出す。仕事はほとんどしない。
原稿を書かないものだから、会社をクビになりそうだし、給料もかなり低いのだが、長年そうやって暮らしてきたから、いまさら生活を変えられない。
毎日、家に帰るのは夜中の2時か3時だ。
前日、久々にオレの書いた特集記事が紙面に掲載された。早速、読者から様々な意見が寄せられている。概ね好評な意見が多く、オレ的には気分が良い。
そこで、オレは夕方から馴染みの店に酒を飲みに出掛け、夜中まで飲んだ。
オレはこの店のママとうまが合うから、冗談を交わしながら楽しい時間を過ごすことが出来る。
店を出たのは、いつも通り2時過ぎだ。
もはや電車は動いていないから、オレは3キロくらいの夜道を歩いて家に帰る。
今は春先で、夜はまだ寒いから、これくらい歩くと、酔いが醒める。
家に着くと、灯りが点いていた。
「女房が起きていたのか」
こりゃ都合が悪い。
オレは家の横に回って、ガラス窓から家の中を覗いて見た。
居間の中には女房が座っていた。
何か針仕事をしている。
「内職をしていたのか」
ダンナの稼ぎが悪く、家に金を持ち帰らないものだから、女房は必死で内職をしていたのだ。
オレたち夫婦には、去年生まれた娘がいる。
この娘を育てるために、女房は働いているのだ。
だが、働いても働いても、オレたち夫婦の暮らしは楽にならない。
オレが放蕩を尽くすから、さらにいっそう苦しくなる。
「苦労をかけているなあ」
分かってはいるが、オレは自分を止められない。
たぶん、こんなオレの性格は死ぬまで変わらない。
女房は若くて美人だったが、さすがに最近はやつれてきた。
そんな女房の姿を眺めているうちに、知らぬ間にオレの頬を涙が伝っていた。
ここで覚醒。
とりとめの無い夢でした。
東北滞在から帰ったら、家人がインフルエンザに罹っていたので、車に乗せ病院に連れて行きました。
家人は「生まれて初めて」インフルに感染したそうで、39度近くの熱を出すのも初めてなそうです。
家人が「私はもう死ぬ」とうなだれているので(苦笑)、「インフルエンザで死ぬ者はほんのわずかだ。周りのジジイやバーサンは毎年のように罹っている」と伝えたのです。
実際、周囲にはジジババ患者が沢山いたのですが、聞こえたか聞こえなかったか、無反応でした。たぶん、具合が悪くてそれどころではなかった、ということでしょう。
家人には、「※※歳になったら、その後の人生はお前のためだけに使う。だから、それまではオレの好きなようにさせてくれ」と約束してあります。
その年齢がもはや目の前。
私は法螺は吹くし、嘘と言い切れない嘘もつきますが、政治家ではないので、「正面からまともな嘘」は言いません。
目が覚めると、すぐに家人のところに行き、病人の世話をしつつも、「色々と済まなかった。約束は守る」と伝えました。
果たして家人は、ダンナの約束を覚えているかどうか。
ちなみに、夢の中の「オレ」の名は石川一で、ペンネームを「啄木」と言います。
実際は博打を打たなかったのですが、酒と女にはだらしがなかったようです。