日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第228夜 披露宴の前

 目が醒めた瞬間に「これは凄い。本当に目が醒める」と痛感するような夢を見たのです。
 しかし、朝一番で、所要を済ませているうちに忘れてしまいました。
 最後は誰かを「ぶっ殺す」という内容だったと思いますが、夢の途中で「今は夢の中だ」という自覚があり、「このアイテムはこういう意味だ」などと考えながら、夢を同時進行的に解釈していました。
 これは書き留めねばと思いつつ、先にコンビニまで宅急便を出しに出たら、その途中でカーポートが雪で潰された家を見たのです。
「ほう。これは気の毒だ」と思った瞬間、夢の記憶が消失しました。

 その後、帰宅して寝直しましたが、これはその時に見たささいな夢です。

 夢の世界に舞い降りると、目の前には女性が長椅子に座っていました。
 テレビに出てる女医でタレントのナントカに似ています。
 「Kさん。来てくれたんだあ」
 「え?」
 何のことか勝手が分かりません。

 回りを見回すと、どうやらホテルのロビーにいるようです。
 ソファに座っており、向かい側にはその女性と、中年の男性が1人座っています。

 視線を下げ、自分のことを見ると、全身真っ黒なスーツ(礼服)を着ていました。
(もしや、結婚披露宴かも。)
 しかし、最近はいつでも黒いスーツを着ています。
 ヒチコックの見様見真似ですが、黒いスーツにネクタイを来ていると、それなりにきちんとしているように見えるのです。ヒチコックは風采の上がらないオヤジでしたが、しかしいつもダークスーツを着ていたのである種独特の風格を感じさせました。
 私も十分すぎるほどトシだし、服を選ばずに済むのでいつも黒服でいることにしました.
 礼服なら、別に服の値段にもほとんど気を払わずに済みます。

「ごめんね。案内も出さないで。今はどこにいるかわからなかったから」
 女性が隣の男にめくばせをします。
(やっぱり結婚式だろうな。)
 隣の男に眼を遣りますが、誰だったか思い出せません。
(オレの生前には友だちだったような気がするなあ。)
 「生前?」
 自分の頭に浮かんだ言葉に、自分で驚きます。
(いったい、そりゃ、どういうことだろ。)

「まさか、オレたちが一緒になるとは思わなかったろ」
 向かい側の男が話し出します。
「何十年間も友だちだったのに、ややこしいことになってしまった。俺の前の女房とお前が再婚した上に、まさかお前の元の奥さんとこうやって結婚することになるとはな」
(やっぱり披露宴だったか。しかも人間関係が複雑。)

 でも、今思い出したが、コイツの元妻で私の妻だった女は病気で数年前に死んだのでした。
 落胆した私は、西海の島で暮らすようになり、知人との接触を断ったのです。
(風の噂にコイツらが結婚することを聞いて、ここにやって来たか、あるいは偶然ここに来たら披露宴をやろうとするところだったか。)
「どっちでも、ま、いいか」
 私の独り言に、前の2人が同時に「え?」と声を出します。

 でも、ここで私はあることに気づきました。
 妻が死んでから、私はいつも黒いスーツを着ていますが、ネクタイもいつも黒です。
 いわゆる「葬式ファッション」になっていました。
 ヒチコックの影響だけではなく、心のどこかで喪に伏しているところがあったのかもしれません。

(披露宴じゃあ、黒ネクタイはまずいよな。)
 でも、この2人。私が黒礼装だってことには気づいていないらしい。
 さすが夢の中です。

 ここで唐突に覚醒。

 脈絡のない夢で、どういう意味があるのかサッパリわかりません。