日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第229夜 冬は牝馬がフケる季節

日曜の早朝、オリンピックのジャンプ競技を見終えた後に眠りに落ち、その時に見た短い夢です。

目が醒めると、競馬場のスタンドにいました。
しかし、コースの中は真っ白です。
人影もまばら。

「また中止になったんだな」
(ならなんで競馬場に来てるんだろ。)

すぐに気づきます。
「ああ、京都は開催しているわけだ」
そう言えば、昨夜、妻に「明日は久々に府中に行ってくる」と伝えたばかりでした。
「明日の京都記念では、ジェンティルドンナが負ける。しかも馬券の対象から外れるだろ。なら、飯の種だし、是が非でも行かないとね」

根拠は簡単でした。
今は、牝馬のフケ(発情)の時期で、健康で体調の良い馬ほど牡馬の匂いを嗅いで発情します。
この時期、絶好調の牝馬ほどあてにならないものはなし。
この馬はもはや女盛りの真っただ中だし、まわりは脂の乗ったオヤジ馬ばかり。
牡の出すフェロモンでイチコロでしょ。
いざ発情したら、まったくレースにならないことは雄雌一緒です。
(牡の場合は「馬っ気を出す」と言ったなあ。)
名牝で、馬場もこの馬向き。人気も一本被りとなれば、まさに穴党の狙いどころです。

「馬場も重そうだし、このレースの中心はタフな牡馬だよな」
札幌函館の重い馬場で、しのぎを削ってきたアンコイルドとか。
やや距離が足りない気もするが、元々、ダートを中心に使われてきたデスペラードとか。
牝馬を全部カットして、こういう奴らを狙うのが穴党のセオリーだろ。

数千倍の馬券を狙って取れるのは、こういう時しかないよな。
「だから、競馬場に行かねば」
これが土曜夜の発想でした。

「そうか。それでオレは府中に来てるわけか」
何となく納得です。
じゃあ、一発勝負してみっか。

券売窓口の方に歩き出すと、窓口が閉まっていました。
「あ、なるほど。ここは中止だから券売機で買わなくちゃならないわけだ」
競馬場ではいつもオバサンのいる窓口で買うようにしているので、ついその癖が出てしまいます。

改めて券売機の後方に立ちます。
マークシートの記入ミスが無いかを確認し、機械に向かって歩き出しました。
すると、頭の後ろの方で声がしました。
「やめとけって」
予想外に大きな声です。

後ろを振り向いたのですが、誰もいません。
それどころか、この場内にいた人たちが、総て消えていました。

「ありゃ。こいつはまずい」
せっかくの大チャンスなのに、買ってはダメなのか。
すると、もう一度念を押すように声が響きます。
「お前はきっと外すから、やめとけ」

たった30枚50枚の馬券が500から1千の桁になるのは、この時期のこういうレースしかない。
もったいないが、外すなら仕方ありません。
券売機の前で、ただぼおっと立ち尽くします。

ここで覚醒。

目が醒めると、もはや昼近くです。
前の晩に「明日は久しぶりに競馬場に行く」と妻に告げていたのは事実でした。
居間でコーヒーを飲んでいると、妻が降りてきました。
「あれ?出掛けないの?」
そこで、夢の話をします。
「絶対に外すからやめろって、夢で言われた」
「じゃあ、仕方ないね」
この辺は、夫婦とも直感を信じる方です。
とりわけ、妻の「夢に数字が出た」の怖ろしさは身に染みてます。千倍の馬券を、入線順に当てられるのは妻のお告げしかありません。
もちろん、滅多に出ませんけど。

落胆するのも嫌なので、テレビ実況も見ませんでした。
夜に仮眠を取り、目覚めた後にPCを開くと、「デスペラード」の文字が見えます。
う。やはりコイツが来たか。
3着がアンコイルドで、思う壺のようですが、2着がT・豊騎乗のトーセンラーですので、確かに私には取れない馬券でした。
穴党は無意識にT豊騎乗馬を嫌って買うものです。
今ならI田騎乗馬も買いません。
それ以上に、絶対にやらないのが総流しです。
となると、やはり100%外してますね。

ところで、「声」は夢の中だけでなく、起きている時も聞こえます。
自意識や妄想によるものと、そうでないものの違いは、勘が冴えている時ならはっきりとわかりますが、普段は区別がつきません。

どうせならプラスのことを、明確に教えてくれれば良いのに!
この辺はやはり「からかわれている」ということでしょう。
ま、2分ちょっとで1千万になる「可能性がある」状況じゃあ、人をからかうのには良い素材です。
いずれにせよ、こちらの悔しがる姿を見て、喜んでいるのではないかと思います。