寒いのでカーペットヒーターを点けたのですが、あまりに暖かく、そのまま寝入ってしまいました。
たっぷりと寝汗をかき、目覚めましたが、その間に見た短い夢です。
気がつくと大学の研究室にいた。
すなわち、私は24歳か25歳くらい。
机はどれもが書籍だらけ。
その向こうに、師匠が座っていた。
「先生。我々で少し整理しましょうか。本が崩れて来そうです」
大学時代の師匠は、それまで本を読んでいたのだが、顔を上げてこちらを向く。
「お。すまんね」
考え事に集中していたと見え、師匠はまた本に視線を落とす。
「じゃあ、皆で手分けしてやりましょうか」
最年長の先輩が音頭を取り、書籍を動かし始める。
数分後、院生の1人が声を上げる。
「わあっ!」
大きな声だ。皆が一斉に、その院生の方を向いた。
「本棚の隙間に蛇がいるぞ」
私はその本棚に近づく。
80センチくらいの長さの蛇が実際にいた。
寒い時期のせいか、蛇は動かずじっとしていた。
「緑色の蛇ですね。青大将?」
院生の1人が近づこうとするのを、私が制止する。
「近寄ったらダメです。それはグリーンスネークという奴で猛毒です」
私はタイに長期間滞在したことがあり、その蛇のことはよく知っていた。
「〇〇君。どうすればいいの?」
と、後ろから声を掛けられる。
「まず先生には外に出て頂いてください。あとはオレがどうにか」
子どもの頃、近所にケンゾーという同級生がいたが、そいつは蛇を掴まえるのが得意だった。
相手がマムシでも、平気で頭を押さえつけ、捉えてしまう。
(コツは何だっけな。)
すぐに思い出した。
ケンゾーは確かこんなことを言っていた。
「蛇が熱に反応するっていうのは間違いだ。蛇には耳も目もある。正確には、蛇は目と耳と、肌を頼りに攻撃してくる、だ。対処の仕方は簡単で、蛇より早く決断して、早く動けばいい」
なるほど。
蛇の弱点は、本能に頼っているので、頭が早く回らないことだ。
ケンゾーは二股の小枝を使って、蛇の頭をパッと押さえつけていたが、この局面では棒の類は必要がない。
私は捨てる予定だった古書を手に取ると、蛇の上にバシャッと叩きつけ、足で踏みつけた。
「せっかく生き延びて来たのに申し訳ないが、お前はここでは生きられない」
心の中で合掌する。
ここで覚醒。
ごく普通の夢らしい夢でした。
夢判断の好きな人が、喜んで「蛇は〇〇の象徴で・・・」とやりそうな夢です。
でも、こういう夢は、そういう解釈をして楽しめばよろしいです。