日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第260夜 妻が2人いる

夕食の支度をした後、つい寝入ってしまいました。その時に観た短い夢です。

気がつくと、長椅子に座っている。
「ここはどこだよ」
周囲を見回すと、どこかホテルのロビーのようなところだ。
「なんでここに」
まったく思い出せない。
ま、いっか。

そこに、女がやってくる。
年恰好は三十台の終わり頃くらいか。
なんとなく、これは自分の妻だという気がしている。
「ねえ。〇〇がまだ来ないよ。どうしたのかしら」
「道が混んでるんじゃないか」
「それにしては遅すぎるよ」
「まだ1時間も経っていないよ」
女は渋い表情だ。

何か催しがあって、皆でここに集まることになっているが、家族のうち1人が遅れているのだ。
「何か連絡はない?」
「いや。何も」
そこに、若い女と3歳くらいの女がやってくる。
「ねえ。〇〇が来ないよ」
「うん。今俺たちもその話をしていたところだ」
「迎えに行って来ようかな」
若い女がバッグから鍵を取り出す。
「じゃあ、私も行く」
前の女が立ち上がった。

「先にご飯でも食べてなよ。遅くなるかもしれないから」
女2人と子どもは、連れだってロビーから出て行く。

そう言えば、今日は何も食べてないな。
少し腹が減った。
このホテルには、良いレストランがあったっけか。
「確か中華があったよ」
前のソファにいる女が口を開く。
「そうだな。ここの中華は美味いんだよな。一緒に食べに行こう」
「うん」

ここで、あることに気がつく。
あれ。この女は誰だっけ。妻らしき女と娘。それと孫みたいな3人は、さっき出て行ったのに。
いったいコイツはどこから来たわけ?
じっと女の顔を見る。

このオレの視線に女が気づいた。
「何?」
「いや。お前は誰だっけかと思ってさ」
「20年も連れ添った奥さんに、いまさら何言ってんの」
そう言えばそうだ。
コイツはオレの古女房だっけな。早く結婚したから、まだアラ40だ。

待てよ。じゃあ、さっきのは誰?
妻は娘や孫と一緒に、息子?を迎えに行ったのではなかったか。
うーん。
頭がぼんやりする。

もしやオレは、もはや認知症で、誰が誰だかわからなくなっているわけなの?
「まだ爺さんの齢ではないよな」
知らず知らず口に出して言っていた。
横の女が「え?」と顔を向ける。

オレって、もしかすると、周りのことが全然分からなくなっているのかも。
急に不安感に襲われる。

ここで覚醒。

「恐怖」に近い不安感を得て、目覚めました。
この世で最も怖ろしいのは人の心ですが、その中でも、自分の心が最も怖ろしいです。