日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第293夜 昔の女の家に行ったら

日曜の朝方に観た夢です。

新幹線を降り、改札口を出た。
たまたま目の前にいた女と視線が合った。
「あら」
その女は昔付き合っていた女だった。
もう何年くらい前になるのか。

「どうしたの?」
「いや。用事があってこの街に来た。今日はここに泊まる」
「どのホテル?」
「慌てて出て来たので、ホテルは予約していない。ま、どこかあるだろ」
「じゃあ、家に泊まる?一軒家で部屋は幾つも空いているから」
そうは行かないよな。
昔は一緒に暮らしていたとはいえ、今は他人だ。
「いやいいよ。迷惑だろ」
「大丈夫よ。他にも色々居候がいるし、気を使わずに済む」
「オレが人見知りだってのは知ってるだろ」
しかし、その女はオレの言葉を聞かず、旅行鞄を引っ張って駐車場に向かった。
強引なところは相変わらずだ。

半ば無理やりのかたちだが、悪い気はしない。
相性が悪く一緒に齢は取れない相手だが、どこか馬が合った。
ま、オレは基本的に助平だからだな。
「そっちの相性は合っていたものな」
知らぬうちに、言葉に出して言っていた。
「え?何」
女が言葉の端を聞き止めたようだ。
「何でもないよ。由香里」

由香里の家に行くと、確かに大きな家だった。
「スゴイじゃん。都心にこんなでかい家があるなんて」
「なあに。前のダンナの家よ。離婚した時に貰った」
「ふうん」
知らないうちに結婚して、離婚していたわけだ。
なるほどね。
「ケンジさんは結婚してるの?」
「ああ。オレ好みの地味なヤツだ」
「浮気癖は直ったの?」
「いや。全然。その証拠に、こうやって昔の女の家に上り込んでる」
しかも、当然のことだが、少なからずエッチな気分にもなっているわけで。

居間のソファに座る。
「何か飲む?」
「じゃあ、コーヒーを」
由香里が戸棚を開けると、カップが山ほど入っていた。
なんだこりゃ。居候がいると言っていたが、いったい何人いるんだろ。
「ま、ここでくつろいでて」
由香里が部屋の外に出て行く。

「この家。部屋は幾つあるんだろ」
何となく興味を持ち、廊下に顔を出す。
長い廊下だ。
1階には居間の他に、7つくらいのドアが見える。
もし廊下が突き当りで左右に折れていれば、さらに幾つか部屋がある。

廊下に出て、少し歩いてみた。
すると、部屋の1つからゴトゴトと音が聞こえた。
「そう言えば、誰かと一緒に暮らしているんだよな」
迷惑にならんように、静かに歩かねば。
そっと足を運び、そのドアの前を通り過ぎようとした時、急にそのドアが開いた。

そこから若い男が顔を出した。
「あ。どうもこんにちは」
「こんにちは。お邪魔してます」
下げた頭を上げると、ドアの隙間から部屋の中が覗いた。
若い男や壮年の男まで、6、7人が座っている。
ここで目の前の男がオレに話し掛ける。
「貴方は新しい人?」
「え?」
どういう意味だろ。
新しいか古いかと訊かれれば、オレは古い方だな。
「今日は沢山来てるから、あなたはだいぶ後の方だよ」
だいぶ後。
その「だいぶ後」って、いったいどういう意味だろ。
ま、いいか。やっかいになるんだし。
「分かりました」
とりあえずそう答えると、男は納得したように頷いて、ドアを閉めた。

「何だか奇妙な暮らしをしているようだな」
ま、昔から由香里は変わり者だったからな。
父親は某銀行の頭取で、退職するときに平気で30億も退職金を貰うようなヤツだった。
ま、すぐにその銀行は吸収合併されて無くなったわけだが、それもそうだろ。
由香里はその父親のひとり娘で、何不自由なく育った。
生活苦を一切知ることなく育った者は、頭の中まで自由で、物事にとらわれない。
だから、由香里は絵や音楽に秀でていたっけな。
「自由奔放が許されるのは、金持ちだけだからな」
しかし、そういう女と一緒にいると、一般人はもの凄く疲れる。
オレは助平で、そのまま年を経てエロオヤジになった男だが、由香里とは1年ももたず別れたのだった。

廊下をさらに進むと、ドアが半開きになった部屋があった。
その部屋も中で何やら人の気配があった。
何となくその部屋の前に立ち、中を覗いて見た。
すると、部屋の中央にベッドがあり、由香里が男とエッチをしていた。
しかもかなり激しいエッチだ。
「相変わらずと言うか、スゲーな」

ドアの前に立つオレの気配に気づいたのか、由香里がこっちに顔を向けた。
すぐに相手の男を押しやる。
「ちょっとあっちの部屋に行ってて。この人は私の大切な人なんだから、この人が先。7年ぶりに会ったのよ」
男はすぐに由香里から身を離した。
「了解。じゃあ、皆にもそう言って置くから」

おいおい。さっきの部屋の男たちは、全員が由香里の「オトコ」ってこと?
昔から発展家だったとはいえ、恋人か愛人が8人いるのはすごい。
しかも皆が家族のように、由香里を共有してらあ。
「ま、由香里は床上手だったからな。並の男じゃイチコロだろ」
由香里が笑う。
「バカ言ってんじゃないわよ。褒めてないよ、それ」
「でも、お前の不思議なところは、これだけ男出入りが派手なのに、スレてないってとこだね。どこか清潔感が残ってる」

女はベッドでじっとオレを待っている。
オレの方は少し躊躇うところがある。
「味の濃い料理と同じで、たまに食べるのは美味しいんだよな」
でも、やっぱり毎日は食べられない。

外で女遊びばかりしているダンナだが、今の妻は愚痴1つこぼさない。
足を前に踏み出すか、背中を向けドアから出て行くか。
オレの腹が決まるまで、あと1分くらいはかかりそうだ。

ここで覚醒。

ストレートに性的な内容でした。
直ぐ後に、「車を抱えて」外出したら、台風に遭ってしまい・・・という夢を観ました。
「車を抱えて」というのは、その車が折り畳み出来るマセラッティみたいな車だからです。
「折り畳み出来る車」なんて、まさに男性の象徴だろうと思います。

あくまで夢なので、多少品が無いところは致し方ありません。
不快に思われた方には陳謝します。