日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第301夜 暗闇

居間で映画を観ていたら、途中で寝入っていました。
眠っていたのは、十数分ですが、その最後に観た短い夢です。

気がつくと、暗闇の中にいる。
暑いので、上着を脱ぎ捨てて、シャツ1枚になっていた。
「ここはどこで、オレは誰なんだろ?」

何の音も聞こえない。
本当の暗闇だ。

突然、闇の向こうから声が聞こえる。
「△■※〇!」
叫び声で、あきらかに警告だ。

すぐに体を低くして様子を見る。
手さぐりをすると、足元に銃が転がっていた。
その銃を拾い、感触を確かめる。
猟銃なら、父のを触ったことがある。しかし、これはライフルだ。

人の気配が次第に近づいてくる。
音の感じからして、3人が散開しながらこっちに寄せているのだ。
「こりゃ、どう見ても友好的な関係じゃないぞ」

音を立てないように、銃を確かめると、弾が装てんされていた。
十数発はあるようだ。
見えないが、銃弾が連なっている感触と重さがある。

もし敵だった場合、相手が何かするのを待っていたら、たちまちやられてしまう。
少し考えたが、やはり十分にひきつけたところで、先に撃つことにした。
足音が十メートルくらいに近づいたので、正面にいる相手に向けて、三発撃った。
「■※●!」
左斜めで誰かが叫ぶ。
火花が散るのを観られたので、こっちの位置はばれた筈だ。
すぐさま、位置を替え、少し左側に移動して、また撃った。
あとは、右にいる筈にヤツにも、適当にバラバラと弾を撃ち込んだ。

回りが静かになる。
しばらくの間、じっと様子を覗う。
「あいつらは何だったんだろ」
敵か味方かは判断がつかないが、状況が分からぬうちに死ぬのは嫌だ。
もちろん、分かったとしても、死ぬのは嫌なのだが。

「果たしてこのままここにいてもいいものやら」
また、誰か敵が来るんじゃあないだろうか。
もはや、暗闇の向こうに敵が充満しているような気になっていた。

すぐ真ん前に人の気配がした。
今度のオレは迷わず、引き金を引いた。
「ドンドン。ドドド」
5、6発を相手に打ち込む。

この時には、オレは少し慣れて来ていたので、相手が倒れたのが分かった。
2人だった。
この場所に目が慣れて来たのか、うっすらと回りが見える。
実際には、地面のあちこちから、ぼんやりとした光が出ていたのだ。

「ここはあの世との境目に似ているなあ」
この世とあの世との境目の世界ってのは、落日直前の明るさだったっけな。
次第に、ついさっき倒したばかりの相手の姿が見えて来る。

正面にいたのは、なんと子どもだった。
5、6歳くらいの男の子が、血を流しながら倒れていたのだ。
そのすぐ後ろには、たぶんその男の子の母親らしい女性が転がっている。

なんてこった。
この母子も、この暗闇の世界から逃れようと、あちこちを手さぐりで探し回っていたのだった。
「そっか。ここは『囚われの地獄』なんだな」

ここで覚醒。

居間で眠っていたのですが、隣の部屋では息子が寝ていました。
襖が開いており、息子の様子が見えます。
息子は悪い夢を観ているのか、小さいうなり声を出しながら、身じろぎをしていました。
時計の方を向くと、ちょうど2時45分。
「やはりこの時間か」と納得します。
いつもだと、この時間には玄関のドアが「トントン」と鳴ります。

少し手を変えたのか。
すかさず2階に上がって来ると、PCの画面が点いていました。
直前に誰かが触ったような気配です。