日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第371夜 沈みゆく島

目覚めの直前に観ていた夢を逐一記憶しているのですが、このところ夢の内容に異変が生じています。
それは、悪夢を観なくなったこと。
もう数十年の間は、夢の内容は8割がた悪夢だったのに、今観るのは普通の話です。
今朝の夢などは、あまりにまともなのでびっくりしてしまいます。

私は女性で28歳。
ある島で暮らしている。
仕事は環境保護だが、今は島民の世話をしている。
行政職ではなく、リゾート開発でこの島に来たのだが、調べてみたら、この島が程なく沈むことが分かった。
そのため、開発は中止になった。
さらに調べると、サンゴ礁が堆積してできたこの島は、いつ沈むか分からない状態だった。
私は環境影響評価が本業だったが、専門がそれだから、ここを開発する以前に、すぐにこの島から島民を脱出させねばならないことを知った。

ここは3キロ四方の小さな島だ。
陸地は海面から十数綻紊暴个討い襪、しかし、1/5は既に水没した。
島民は2百人で、半分は別の島に移った。
ところが、どうしても島を出て行かない人たちがいる。
すぐに想像がつくが、皆年寄りたちで、新しい土地で人生をやり直すのを望まない。

島の基盤には断層があり、ゆっくりと横滑りして海に落ちている。
今はゆっくりだが、突然、ざあっと一気に沈む可能性がある。

私は開発会社の仕事を辞め、この島の人々の移住に協力することにした。
毎日、1軒ずつの家を周り、お年寄りが無事でいるかどうかを確かめる。
それから、島の状況を説明し、すぐにこの島を離れることの必要性を説いた。

だがお年寄りは「うん」と言わない。
もはや晩年で、別の島に移っても、そこで長く暮らすわけではないからだ。
グリーンさんもその1人。
家族がいれば、まだ話しやすいが、この人は1人暮らしの老女だった。

「グリーンさん。今は何ともないけれど、いざ滑りはじめたら、この島は半日で海に沈んでしまうのよ。私と一緒にこの島を出ましょうよ」
「私はもう85歳。外で暮らすことはもう考えられないよ」
「でも、この島は無くなってしまう可能性が高いのよ」
親戚や近所の人たちは、もう皆いなくなったのに、グリーンさんは一緒には出ずにここに留まっている。
グリーンさんは何も言わずに、家の外に目を向けた。
視線の先には、グリーンさんの家族のお墓があった

新しい生活を1から始めるのは、お年寄りにとってたやすいことではない。
この島には思い出があるし、すぐ目の前に先祖のお墓もある。
どこかに移るくらいなら、島と運命を共にしようと考える気持ちも分からないではない。
グリーンさんに同意して貰うのは大変だが、すぐにも島を離れて貰わないと。
島が沈没するのは明日のことかもしれないのだ。

私はグリーンさんの家を出ると、開発予定地に向かった。
3か月前にここでボーリング調査をしたら、突然、下の地層から海水が噴き出した。
何百万年もの間、サンゴ礁が堆積してできた島なので、地層の奥底までカチカチに固まっている筈だが、その奥底から水が出たのだ。
それで、島の地層に断層が走っていることが分かったのだった。

ここでは、地質学者のマリリンが調査を続けていた。
「こんにちは」
声を掛けると、マリリンが振り向いた。
「あら。キョウコさん」
マリリンの服の前半分は泥だらけだった。
「何か、新しく分かったことがありますか?」
さすがに、島の状態は気になる。
マリリンが真剣な表情に替わる。

「今は8百辰泙之,蠖覆鵑製蠅茵
回りを見渡すと、作業員が20人近く働いていた。
「断層は比較的浅くて、あと百辰らい下にある」
島が岩盤で出来ているなら、そこまで深くは掘り進めないが、ここは基本的に堆積物で出来ている。
ボーリングは簡単だった。
「面白いのはね。なぜその断層が出来たかってこと」
「何か特別な理由があるんですか?」
「ふふ。今の深さのとろろで、地熱が45度を超えてるの。火山活動が起きているのよ」

展開が長いので、ここで中断。
この夢は長編映画1本を観るくらいの長さで、プロットも詳細になっています。
なぜこういう夢を観るのかは、まったく分かりません。

しかし、このところは連日、こういう流れの夢ばかり。
悪夢の断片も出て来ません。
夢を観る度に怨霊や悪魔が現れていたのですが、こりゃまた一体どういうわけでしょう。

今はホラー小説を書き進んでいるのに、これじゃあ商売あがったりかも(笑)。