日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第397夜 ベランダに立つ女

◎夢の話 第397夜 ベランダに立つ女

 水曜の朝4時30分ごろに観ていた夢です。
 私は女性で、マンションの13階に夫と一緒に住んでいる。
 天気が良いので、洗濯物を干しに、ベランダに出た。
 物干し竿一杯に干したところで手を休め、外を見た。
 まあ、50辰らい先にも高層マンションが建っているので、遠くまでは見通せない。

 「あら」
 ちょうどこちらと同じくらいの高さの階に、人が立っていた。
 女の人だ。
 真っ直ぐ正面を向いて、立っていた。
 でも・・・。

 その女の人が立っているのは、ベランダの上ではなく、ベランダの手すりの上のように見える。
 「あれじゃあ、落ちじゃうじゃない」
 すぐに夫を呼ぶ。
 「パパ。ちょっと来て」
 我々夫婦には子どもはいないが、赤ちゃんが出来た時のことを想像して、「パパ」「ママ」と呼び合っている。

 「何だよ。今、DVDを観ていたのに」
 夫が外に出る。
 「あれ見てよ。あの人。もしかしてベランダの手すりの上に立っていない?」
 夫が苦笑を漏らす。
 「バカ言ってろよ。そんな危ないことをする人なんていない。自殺しようというのじゃなければね」
 自殺。そう言えば、その女の人はさっきから少しも動かないし、今はじっと下の方を見ている。

 「もしかして、その自殺志願者じゃないのかしら」
 「ええ・・・?」
 夫が前のめりになって、向こう側を眺める。

 「いかん。たぶんそうだ。早く警察に電話しなくちゃ。それとも消防署か。由美。すぐに電話して」
 「分かった」
 中に入って電話を掛ける。
 それが終わると、再びベランダに駆け戻った。
 ここで夫が叫ぶ。
 「ダメだ。風が吹いてら。グラグラしてる。きっともうじき落ちる」
 「やめてよ」
 私は夫の隣に立ち、成り行きを見守った。

 「ああ~」
 「わあ」
 女の人が手すりからぴょんと跳ねるように落ちるのが見えた。
 私は反射的に目を下に伏せた。
 「パパ。落ちたの?落ちたの?」
 嫌だ嫌だ。下を見るのが怖い。

 数秒後。夫が笑い出す。
 「ハハハ」
 私は前を見ないように、夫に尋ねた。
 「こんな時に、何で笑ってるのよ!」
 夫が私の肩を掴み、前を向かせた。
 「ほら。あの階のすぐ下はでっぱりになっている。こっちからじゃあ、真正面だからよく分からないけどね。あの人は何かを手すりの外側に落としたから、取りに行こうとしていたんだよ」
 向かい側のビルを見ると、その女性はでっぱりの上に立ち、洗濯物を拾っていた。

 「手すりを乗り越えようと立ってみたら、風が気持ち良かったから、少しじっとしていただけなんだよ」

 ここで覚醒。

 私の観る夢は、大体がおどろおどろしい内容ばかりですが、こういう筋なら疲れなくて済みます。
 ま、やっぱり眼は醒めてしまいますが。