日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第428夜 涸れ川

◎夢の話 第428夜 涸れ川
 居間で休んでいた時に観た夢です。

 瞼を開くと、どこか知らない場所にいる。
 山林の中で、急斜面の中腹に独りで立っていたのだ。
 森の中を通り抜けて、どこかに行こうとしていたらしい。
 「こんな急な坂で、灌木がびっしり生えている。さすがに歩きづらいよな」
 周りを見渡すと、50メートルくらい先に木々の途切れた場所が見える。
 「きっと谷川が流れているんだな。そっちの方が歩きやすいかも」
 オレはそっちの方に向かうことにした。
 
 近くに寄ってみると、やはり谷だった。
 30メートルくらいの幅の岩場がある。
 川が流れていた筈だが、水は涸れており、ちょろちょろ程度。
 「岩場だが、ここを進んだ方が楽に先に行けそうだ」
 百辰曚評緡の方を望むと、大きな岩が見える。
 その岩の横には、女が1人立っていた。
 背が高く、痩せた女で、髪が背中の真ん中辺まで伸びている。
 白いワンピースを着ており、手足がやたら長く見える。
 女もこっちを向いているが、まだオレには気が付いていないようだ。
 「なんでこんな所にいるんだろ」
 ま、いいか。あっちに行って、あの女に道を訊いてみるか。

 オレは斜面を下りて、谷の底に向かおうとする。
 すると、オレの背後から声が聞こえた。
 「やめなよ」
 「え」とオレは振り返る。
 さっきの坂の上に女の子が立っていた。
 8歳から十歳くらいの間の女の子だ。
 女の子はじっとオレのことを見ている。
 「やめなよ。そっちには行かない方が良いよ」
 大人びた口調だ。
 「どうして?あっちの方が歩きやすいよ」
 オレがそう言うと、女の子が首を振った。
 「そこだと、見つかっちゃうよ」
 「え?誰に?」
 「あの女の人」
 「あの人に見つかったらダメなのか?」
 「そう」
  オレは、さっきの髪の長い女の方に視線を向けた。
 女はそれまでと同じように、無表情に周りの景色を眺めている。
 「まだ気が付いていないよ。はやくそこから戻って来て」
  女の子が懇願するように叫んだ。

 その子が泣き出しそうな顔をしたので、オレは仕方なく斜面を上り始めた。
 ひとまずその子を安心させて、それからその子と一緒に上流の方に行けば良い。
 土手の上の蔓草に手を掛けて、自分の体を引き上げた。
 「ふう」とため息を吐いて、後ろを振り返る。
すると、髪の長い女がオレのことを見ていた。
 無表情な視線だ。喜怒哀楽の心があるようには思えない。
 次の瞬間、その女がこっちに向かって走り出した。
 長い手足が目まぐるしく動いて、あっという間にオレの方に近寄って来る。
 凄まじい形相だ。

 「早く、早く。ここまで上がって。あいつは上には来ないから」
 オレは大急ぎで草を掴み、女の子の居る場所まで上った。
 女の子が居たのは、丸椅子のような形の岩の上だった。
 「はあ」と息を吐いて、オレは女の子の隣に腰を下ろした。
 そこで、もう一度下の方に顔を向けた。
 「うわ」
 髪の長い女はオレのすぐ真下、5辰らいの場所に立ち、上を見上げていた。
 やはり、まったく心の無い表情をしている。
 「コイツ。人間じゃあないな。幽霊でもない。もっととてつもなく怖ろしいヤツだ」

 「危なかったね」と女の子が呟く。
 「本当だな。君が止めてくれなければ、オレはあいつに掴まっていたかもしれん」
 「その谷に入ったらダメなんだよ」
 「あの妖怪みたいなヤツがいるからか」
 「ううん。ここは三途の川だからだよ。入ったら戻れないの」
 「え」
 驚いて、オレがもう一度振り返ると、その谷には怖ろしいほどの激流が流れていた。

 ここで覚醒。

 「無表情な女」は外で時々当方のことを見ているヤツです。
 風景写真の隅に写り込まれるのが嫌なので、カメラケースにお守りを入れるようにしているのですが、11月から1月はあちらの力の強いので、デジカメが「ブン」と音を立てて壊れてしまいました。
 次女は「そんなの偶然だよ」と言いますが、他人には話さない・話せない不審事の直後なので、嫌な感じです。
 その後で、こんな悪夢になってます。