◎夢の話 第500夜 帰郷
5日の午前2時半に観た夢です。
家族で温泉にいる。
季節は冬で、関東の山の中の温泉だ。
そこに電話で連絡が入る。
「具合が悪いらしい」
誰かは分からないが、郷里の親族の話だ。
「じゃあ、すぐに行かないと」
しかし、大雪で電車は総て止まっていた。
「僕の車は四駆だし、どうにかなるかも」
息子が妻と娘たちを車に乗せて行くことになった。
「じゃあ、仙台で落ち合おう」
いずれにせよ、オレには外せない仕事があり、その引継ぎの確認をするために、もう半日そこにとどまらねばならない。
その後のことはそれからだ。
ひとまず郷里に電話をすると、「今、上の叔父ちゃんがその近くにいる。叔父ちゃんに拾って貰えばいいよ」と言われる。
数時間が経過すると、仕事の話は終わっていた。
旅館の玄関の前にトラックが止まり、キヨシ叔父が出て来る。
「おう。久し振りだな。元気にしていたか」
この叔父に会うのは二十年ぶりくらいか。
トラックの助手席の扉を開くと、先客が1人居た。
「ああ。ヒロシ叔父さんも来てたの」
これは下の叔父で、叔父2人が一緒にオレを迎えに来てくれたのだった。
「※※ちゃん。こっちじゃないよ、運転席。お前が運転すんだよ」
オレの後ろに立っていた上の叔父が笑った。
「そうだよ。お前はまだ生きてるんだからな。※※ちゃんが運転しな」
「分かりました」
運転席に回って、ハンドルを握る。
大型トラックの運転は初めてだが、まあ4トン車の操縦はしたことがあるからどうにかはなりそう。
道路は雪に覆われているが、この重量なら逆に安心だ。
「じゃあ、出発します」
キヨシ叔父が顔を向ける。
「仙台で家族と落ち合ったら、そこからは新幹線で行くといいよ。その方が疲れねえからな」
「ふだふだ」
ヒロシ叔父が頷く。
「ところで、叔父ちゃんたちはどうしていました?キヨシ叔父さんは20年振り、ヒロシ叔父さんも十数年ぶりですよね」
すると2人が同時にオレのことを見た。
「そりゃ、生きていた時と同じだよ。べごの世話をして暮らしてら」
叔父2人はいずれも馬喰だった。
そっか。あの世でも生前の仕事や習慣を忘れたりはしないのだな。
何となく納得する。
ここで覚醒。
一昨年の冬に、父の具合が悪くなったこと。
執筆・調整中の『それぞれの四季』に出て来る「叔父」のエピソードをどう直すかを考えていたこと、などが夢に反映されたようです。
あとは、徐々に、叔父たちの仲間に近づいているということでしょう。
上の叔父が亡くなったのは、夏の終わりごろではなかったか。
『それぞれの四季』は当初は短編だったのに、いまや中篇から長編の間に到達しています。
長編は納める先を探すのに苦労するので、全体を直して中篇にカットする必要がありそうです。
「叔父」は実在の2人の叔父を合わせたような人格なので、こういう夢になったのでは。
まだ甥の「お迎え」に来ないでね(苦笑)。
しかしまあ、季節が冬だったので、「とりあえず、寒くなるまでは、父もオレも大丈夫かな」と安心したりもします。
それに、仙台からなら、郷里のお墓まではまだ180キロはありそうです。