日刊早坂ノボル新聞

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テレビ番組の偉人伝

◎テレビ番組の「偉人伝」
数日前に、何気なくテレビを観ていたら、「偉人」のエピソードをやっていました。

それによると、ある実業家(実名報道しているのだから書いてもよさそうだが)の若かりし頃の姿はこうだった。
高校のときに、米国に留学した彼は「大学に早く入りたい」と考え、留学してすぐに大学受験資格試験を受けることにした。
ところが、当たり前のことだが、試験は英語で質問を理解するのもおぼつかない。
そこで、彼は試験官に申し出た。
「私は外国人で英文で書かれた試験問題の意味を読み取るのに時間がかかる。だから、英語の辞書を使用することと、時間の延長を認めて欲しい」
番組では言われていなかったが、ここは「試験のやり方が公正となるようにしてくれ」と言ったはずです。
個人的事由ではなく、「公正さ」の問題で言わないと聞いてもらえないからです。
彼の国は何でも「公正さ」のはかりにかけます。
「もし不公正だとなると、莫大な慰謝料を請求されるかも」
急場のことでもあり、試験官サイドではおそらくこんな心理が働いたのでしょう。
結果的にこれが通り、「辞書を使うこと」と「英文を理解するのに必要な時間延長が認められた」そうです。
「だから、スゴい」という論調でした。

不思議ですね。
こういうことを言い出すのはただのクレーマーで、「ズル野郎」と解釈されるのが普通では。
米国内で、米国大学の資格を入手しようとするのに、「オレにハンデをくれ」と言ってます。
留学生は山ほどいますし、同じように皆に言われたら、試験そのものが成り立たない。

「問題が中国語でないから不公平だ」
「親が弁当を作れなかったから、間食とそれを食べる時間をくれ」
ただの「我がまま」「身勝手」ですよね。

ここで、その番組の意図が分かりました。
なあるほど、「この男はこのテレビ局にとって上客で、大枚の金を払ってくれる相手だ」ってことです。
このため、これはこの客を持ち上げ、ゴマを摺るために作った提灯持ち番組だったってことです。
番組を作る途中で、本人にも「こういう内容でいいですか?」と打診があっただろうに、よくそのままOKを出したものです。
陸上に例えれば、百メートルを走る競争をするのに「オレは80メートルにしてくれ。それが公平だ」という論調で短くしてもらったということです。
例え結果が1位でも、胸を張れる内容とは言いがたい。
私なら恥ずかしくて、「そんなの放送するな」と言うだろうと思いますね。

さらに「なるほど、オレが金持ちになれないのは、こういうことが許せないからだ」と思い知りました。
そんなに面の皮は厚くないです。
これを自慢できる感覚は、やはり庶民とは違います。

そうじゃないかな、ソンマサヨシさま。
あなた、もう「羽柴秀吉」みたくなってますよ。
(実際の人間像からかけ離れているという意味です。)