日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎鳥谷ヶ崎情夜 ─ポルタ・オルカス─  コンセプト

◎鳥谷ヶ崎情夜 ─ポルタ・オルカス─  コンセプト

 文禄年間のこと。奥州鳥谷ヶ崎城の主(城代)は表向き北秀愛となっていた。
 しかし、秀愛は九戸一揆の際に重傷を負い、数年の間、寝たきりで、こん睡状態のままだった。
 秀愛の父である北信愛は、息子の回復を願い、祈祷師を呼び寄せる。
 祈祷師は名を杜鵑(とけん)女と言い、かつて巫女・柊女の許で修行していた者だ。
しかし、この巫女は柊女によって破門され、今は黒巫女として霊力を振るっている。
 杜鵑女の祈祷で秀愛は目を覚ますが、心は別人のものとなっていた。
 姿かたちは従前の秀愛のままだが、冥界の悪霊にとって替わられていたのだ。
 秀愛は目を覚ますとすぐに下女を犯す。
 体力が回復して来ると、秀愛は家来に命じて城下にたむろする浮浪児を集めさせた。
 秀愛はその子らを一晩に一人ずつ食い殺す。
 父親の信愛がそれに気付き、息子を質すが、秀愛はその父を土牢に閉じ込めてしまう。

 城下から子どもの姿が減っているのに、一人の女が気付く。女の名はお芳で、毘沙門党の女主・紅蜘蛛の妹だ。
 お芳は親の無い子を拾っては、その子らの面倒を見る気立ての良い娘だった。
 お芳は子どもらの後を追い、城中に連れて行かれたことを突き止める。
 しかし、城の守備兵の一人に捕まってしまう。
 侍は佐々木数馬という者で、かつて紅蜘蛛に手痛い目に遭わされた経験があった。
 佐々木はお芳が紅蜘蛛の妹であることを知り、一計を画策する。

 妹のお芳が病気で苦しんでいると聞き、紅蜘蛛が鳥谷ヶ崎に現れる。
 これはもちろん、佐々木数馬の計略で、紅蜘蛛は捕らえられ、城に連れて行かれる。
 その話を、日戸佐助が聞きつけ駆けつける。
 紅蜘蛛が拷問に掛けられようとするのを見て、佐助は哀れに思い、それが紅蜘蛛であることを証言する。
 佐助はせめて自らの手で紅蜘蛛を処刑しようと刀を抜くが、その寸前に、城主秀愛がそれを止める。秀愛は紅蜘蛛の美貌に興味を持ち、己の側女にしようと考えたのだ。

 佐助はお芳から、城に子どもたちが集められていることを知る。
 子どもたちは土牢に入れられ、順番に秀愛に食われていた。
 それを北信愛が目撃しており、もはや秀愛がかつての秀愛ではないことを証言する。
 佐助は信愛と紅蜘蛛、子どもたちを城から逃がす。

 その翌日から、城下の民が多数捕まえられるようになった。
 秀愛は杜鵑女と共謀し、民を生贄として捧げ、地獄の門を開けようとしていたのだ。
 日戸佐助と紅蜘蛛は再び手を結び、悪鬼と化した北秀愛を倒すべく立ち上がる。

 この作品は早坂アンナ『不来方情夜』の続編となります。
 田無権兵衛と玉山兵庫、北十左衛門ら、オールスター戦になる予定です。
 もちろん、紅蜘蛛の追想場面では、赤平虎一も登場させます。

 紅蜘蛛が主役の話はすべて「情夜」で行くことにしました。
 話の骨子は出来ており、あとは順番待ち、体力待ちになってます。
 しかし、後者が最大の問題ではあります。