日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第524夜 極楽花

◎夢の話 第524夜 極楽花
19日の午後11時頃に観た夢です。
夢の中の「オレ」はまったくの別人。

オレは勘が鋭い。
バスに乗っていて、「この先に金が落ちている」ようなイメージが広がる。これがどうにも頭から離れないのでバスを降りて歩いてみる。すると、二十メートルも行かぬうちに現実に財布を拾ったりする。
その財布には60万入っていたりもする。
もちろん、いつものことではないが、事件や事故も予知出来たりすることがある。

この日、オレは自分の家にいた。
すると、突然、床の下に「お宝」がある気がしてきた。
これがどうにも消えてくれない。ドキドキして昼寝も出来ない。
そこでオレは床板をはがし、下を覗いて見た。
縁の下には、黒くて大きなものが落ちていた。
「こりゃ、一体何だ?」
すると、頭の中に「極楽花の種」という言葉が浮かんだ。
「極楽花?何だそりゃ」
オレはその丸いものを持ち上げ、上に出してみた。
直径が50センチくらいで、案外軽い。
西瓜の種を大きくしたようなかたちだった。
「どうやら本当に種らしいな。前からここにあったんだろうか」
縁の下だもの。家が建った時からあったということだな。
「よし。それじゃあ植えてみよう」
オレはホームセンターに行き、一番大きな鉢を買って来た。
肥やしを敷き、土を被せて種を入れ、また土を被せた。
「どれくらいで芽が出るもんだろうか」
すると、頭の中で「3日」という声が聞こえた。

3日後、実際に芽が出てきた。
こいつの成長速度が速く、1日で50センチ上に伸びる。
数日経ったら、もう2メートルの背丈になった。
「いかん。このスピードじゃあ、すぐに天井についてしまう」
すると、頭の中で「庭に植え替えろ」という声が聞こえる。
そこでオレは庭の真ん中にそいつを植え替えた。
この辺で、オレは気がついた。
「オレが何か疑問を抱くと、頭に答えが浮かぶが、これってオレが考えていることなのか?何となく違うような気がするぞ」
いつもの勘や直感とは別の感覚だ。
すると、頭の中で「そうだよ。これは俺が答えているんだ」という声が響く。
「俺?俺って誰のことだよ」
目の前に、極楽花の苗があるだけなのに。
すると、頭の中に「お前の目の前にいるのが俺だ」という声が響いた。

「植物には心がある」という研究があることは知っているが、テレパシーもあるんだろうか。
オレは自分では解決できないことを訊いて、確かめてみることにした。
「おい。オレはそそっかしくて、銀行の通帳をひとつ失くした。それはどこにある?」
すぐさま頭の中で「居間の食器棚の上」と響く。
実際に居間に行き、手を伸ばして上を探ると、そこに封筒に入った通帳があった。
「すごいじゃん。お前は超能力者ならぬ超能力植物なんだな。オレも勘が鋭い方だが、比べものにならないくらい力が違う」
すると、頭の中で「ま、そんなところだ」という答えが返って来る。
オレは早速、お袋に電話を掛けた。もちろん、この極楽花のことは言わない。
話したら、「頭がおかしくなったか」と心配されるだけだ。
オレは「失くしたものや、探したいものはないか」と尋ねたのだ。
お袋は機転の利く人で、すぐにこう答えた。
「息子だね。もう2年も顔を見せてくれないもの」
さすがの放蕩息子も少しほろっとした。

そこでオレは友だちに電話を掛け、「失くし物とか、心配事はないか」と尋ねた。
それを聞くと、極悪花の前に行き読み上げる。
「どこそれの誰が、○○を探しております。どこにあるでしょうか」
「※※が昔の彼女に会いたいそうです。どうすれば会えるでしょうか」
答えはすぐにオレの頭に浮かんだ。
皆の悩みを解決してやっているうちに、人がどんどんオレの家に来るようになった。
「まるで、人気のある占い師なみだな」
不思議なことに、極楽花が語り掛けるのはオレだけで、他の者に声は聞こえない。

玄関の前に列を成して並ぶようになったので、オレは予約制にして券売機を置いた。
仕事場にも客が来るようになったから、オレは仕事を辞めて、運命相談を生業にするようにした。もちろん、1回3千円の料金もつけた。
世の人気占い師に比べれば割安で、託宣が正確だったので、さらに人が押し寄せ、オレは瞬く間に金持ちになった。
この辺で、オレは1日の客を60人に制限し、料金を2万に上げた。
「金儲け主義」と悪口を言うヤツが出てきたが、それはオレのところに来ないヤツで、来た人は皆満足して帰る。積年の問題が数分で解決するから当たり前だ。
この辺でオレは家を建て替えることにした。
住居は別のところに移し、今の家は取り壊して、極楽花のための神殿を作ることにしたのだ。
極楽花の周囲にもフェンスを作り、悪戯が出来ないように防護した。

ある時、いつものように朝のお勤めをしていると、極楽花の枝に蕾が出来ていることに気付いた。
「あ。もうじき花が咲くのか」
頭の中で、「そうだよ。ちょうど5日後の朝10時だから、そう告知しろよな」と響く。
何だか命令口調だが、オレの信者たちが喜ぶと思い、その通りに告知した。
当日は3千人くらいの人が集まったが、2日前の晩から寝袋で泊まったやつもいる。
オレの神殿には3百人しか入れないから、建物の周りを人が取り囲むわ、前の道には長い行列が出来るわで、大騒ぎになった。
極楽花の樹は、背丈が25メートルあるが、その枝の蕾がゆっくりと開き始める。
すると、えも言われぬ良い匂いが、辺りに立ち込めた。
「これがご神木の花の匂いかあ」
「すばらしい」
群集がざわめく。

その姿を眺めながら、オレはひとつの事を考えた。
今まで、極楽花が答えなかった唯一の質問だった。
「極楽花よ。お前はどこから来て、なぜ地上に降り立ったのか」
すると、極楽花は初めてこの質問に答えた。
「それは、子孫繁栄のためさ。俺が種を宿すには、何千人分もの肥料が要るからな」
この声が聞こえた時、オレはもはや動けなくなっていた。
もちろん、他の人たちも同じだ。
「この花の匂いは麻酔なのか」
そんなことがぼんやりと頭に浮かぶ。
皆がその場に倒れた頃を見計らって、極楽花の幹からスルスルと触手が伸びて来たのが見える。
それと同時にオレは気を失った。

ここで覚醒。

乗り物に乗っているときに、「この先の道にお金が落ちている」と感じ、バス、タクシーを途中で降りたことが現実にあります。2回だけですが、実際に財布が落ちていました。
こういうのは、何とも説明の出来ない事象です。