日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第532夜 骨董会で

◎夢の話 第532夜 骨董会で
30日の午前5時に観た夢です。

 夢の中の「オレ」(35歳くらい)は現実の自分に近い存在だ。
 骨董の先輩O氏に「来てみれば?」と言われ、骨董会に行った。
O氏はいつもオレのことを育てようとしてくれる。
 そのO氏は会場の一角で、自分のブースを開き、骨董品を販売していた。
 
 会場に着くと、何やら騒然とした雰囲気だった。
 人だかりの方に近づくと、すぐに救急隊員が来た。
 「誰か倒れたんだな」
 人垣の向こう側なので、どういう状況かは分からない。
 担架が運ばれ、人垣が割れる。
 すると、その担架に乗っていたのは、Oさんだった。
 「あ。倒れたのはOさんだったか」
 すぐにOさんの家族に電話で連絡した。

 Oさんが倒れたので、Oさんのブースに人が居なくなってしまう。
 「誰か見ていなくてはならないだろうな」
 骨董関係には手癖の悪い人がいるし、こういう会場には隙を見て物品をかっぱらおうとする輩も集まって来る。
 そういうオレだって、事務所を荒らされ、数千万円を盗まれたことがある。

ブースに行ってみると、案の定、早速やられていた。
 ショーケースに入っていた小判や珍しい古銭が盗まれている。
 骨董品を持ち出せば人目に付くが、小さいコインならポケットに入れてしまえば露見し難い。 
 「不味いよな」
 先輩で恩人だし、この後をきっちり見てやらねば。

 ここに知人のY氏がやって来た。
 「Oさん、倒れたんだって?」
 「そのようです。倒れてほんの十五分なのに、この有り様ですよ」
 「酷いもんだな」
 「誰か見ていてやらねば根こそぎいかれてしまいます」
 ここでYさんがオレのことをじっと見た。
 「放っておいたほうが良いかもよ」
 「え。もう何枚か大物が盗まれていますが・・・」
 「だからだよ。その場に立っていたら、たぶん君が犯人にされる。疑われるのは一番近くにいたヤツだからな。ブースには近付かずにいるこった」
 しかし、こうしている間にも、何人かがブースに近付いて覗いていた。

「親切が仇を為すこともある。Oさんが重病で、商品が盗まれたとなれば、身内の者は誰かのせいにしたくなる。その受け皿の中に、自ら飛び込むのは避けた方がよい。とりあえず警察を呼んで、離れたところから見ていることだな。ここからまた品物が盗まれるだろうが、それもOさん自身の運のうちで、君じゃない」
 確かに迂闊に人を助けようとすると、踏んだり蹴ったりの結果になることもある。

「ここはどうしよう」
 泥棒がワンサカ集まるのを眺めながら、オレは思案に暮れている。
 ここで覚醒。

 親切心から遺品の整理を手伝ったら、実際には大赤字だったのに、家族から「ごまかしているんじゃないか」という目で見られたことがあります。
 そういう経験により、今なら「警察を呼んで、自分は一切手を出さず、十五メートル以上離れたところから見張っている」のが正解だろうと思います。
 他人の目には、こころ(親切心)は見えないのです。