日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第533夜 小春日和

◎夢の話 第533夜 小春日和
 31日の午前6時に観た夢です。

 長い冬が終わり、ようやく春が近付いた。
 あとひと月もすれば梅の花が咲き始める。
 オレは外套を薄手のものに替えて、散歩に出掛けることにした。
 幸い、オレの家の近くには、※※川に沿って遊歩道があるし、その先には公園だってある。

 日差しに照らされながら、のんびりと歩道を歩く。
 ポカポカ陽気に誘われて、親子連れがチラホラと散歩をしていた。
 親子は整った服装をしている。
 「ああ。きっと新入生だ。私立の面接の帰りなんだろうな」

 親子連れとすれ違うと、30辰らい前に和装の女性が見えた。
 まだ寒いから、着物の上に外套を重ねていた。
 その女性が急に立ち止まり、しゃがみ込んだ。
 どうやら履物を気にしているようだ。
「草履の鼻緒が切れたのかもしれないな」
 足が無意識に早足になる。
 オレはいつも手ぬぐいを持ち歩いているから、それで継いであげようと思ったのだ。
 もちろん、「どんな女性なのか、前に回って見てみたい」という気持ちもあった。
 後姿の雰囲気では30歳台のようだし、その年齢なら、ちょうど和服が似合う年頃だ。
「あの感じは絶対に美人だよな」

 あと十五叩
 女性はしゃがんだまま、じっとしている。
 (まるで、オレのことを待っているようだよな。)
 後姿がそう語っていた。
 目の悪いオレでも、ここまで近寄ると、女性の詳細が見えて来る。
 女性は背中を向けているが、着物の着こなしが上手いのは歴然だ。
 外套も上品だし、頭はきちんと丸髷を結っていた。

 しかし、オレはここで立ち止まった。
 外套の下から、着物の裾が見えていたからだ。
 その着物は、大正から昭和初期に流行した縞紬の柄だった。
 「う。縞紬か。となると、あの女は・・・」
 女は背を丸めたまま、オレが間近に近寄るのを待っている。

 「コイツ。オレから遠ざかったと思っていたが、その実は近くにいて、オレの様子を窺っていたのか」
 女の背中は、「早く私に声を掛けろ」と語っている。
 オレはその背中を見ながら、一歩二歩と後ずさりをして、その場から遠ざかる。

 ここで覚醒。
 久々の「縞女」登場でした。
 この長編は、ほとんど書き終わっていますが、最後の部分を残しています。
 また、少し長いので、全体を切り刻まないと、送る相手に困ってしまいます。
 先にショートバージョンの方をどこかに入れてから、長編を後から出すべきなのかもしれません。
 今のところ、体調とはリンクしていないようですが、コイツが出て来る時は要注意です。

 大晦日の「今年最後の夢」が「縞女」ですかあ!
 「縞女」は人物像をイメージするだけで怖いのです。