日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

扉を叩く音 (続)

「主に冬期(実際は晩秋から冬)、深夜、玄関の扉を叩く音がする」話の続きです。

2月24日午前9時40分の記録。
朝食後、今のテレビの前で寝そべっていると、唐突に声が聞こえました。
「グァ。うおおおう」
女性の声です。

驚いて跳ね起きました。
隣の部屋には息子がいたのですが、別段、異常はありません。
私だけに聞こえているのです。

想像や妄想?空耳?
違いますね。
頭に思い描く想像は、前頭葉で起きます。
すなわち、想像上の声は額の周辺で聞こえます。

この時の声は、頭ではなく、下のほうから聞こえています。
具体的には腰の近くです。
ま、こういう声が自分の腹の中から聞こえたことがありますが(しかもきっちり文章になっている)、今回はそういうものよりはるかにましでした。

女性が死んで、断末魔の声を上げたが、心臓が止まった後も上げ続けている。
そんな声でした。
声自体は比較的若い女性で、概ね30歳代くらいに聞こえたのですが、生きている時は老境にあったと思います。

この手の声が聞こえる人はお分かりでしょうが、音は想像以上に大きいです。
いつも書きますが、とても「そんな気がした」という次元ではありません。
その都度、はっと飛び起き、周囲を見回してしまいます。

人込みで多いのは、「助けて」。
私には助けられないし、助ける手立てもなさそうなのに、背中のすぐ後ろで聞こえます。
このため、どうしても都心の雑踏や駅を避けるようになってしまいます。

もはや季節は春ですが、いまだ続いているようです。
春先から夏の間だけが、穏やかに暮らせる期間なので、そっとして置いて欲しいものです。

「オレに声をかけないでくれ」
「オレは何も出来ないので、顔を出さないでくれ」

心の底からそう願います。
私は自分のことで忙しいので、生きている者にも、既に死んでいる者にも、放って置いて欲しいのです。