日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第620夜 ゴミを焼く

夢の話 第620夜 ゴミを焼く
 10日の午前5時に観た夢です。

 瞼を開くと、目の前に炎が見える。
 木材の切れっ端や紙類を燃やしていたのだ。
 「証拠になるようなものは焼いておかないとな」
 火箸を突き入れると、炎は50センチから1メートルくらいの高さまで燃え上がった。

 そこに壮年の男がやって来た。
 「ここで火を焚いているの?」
 「ええ。ここは私の家の庭だし、問題はないでしょ」
 男は白髪で、70歳に手の届く年齢のように見える。
 「でも、今の法律では、火事を防止するため、野焼きの類は消防署と警察に届け出る必要があるんだよ」
 「え。そうなんですか」
 「とりあえず、電話しとくといいよ」
 「はい。じゃあ、手が空いたところで電話しときます」
 ここで男は周囲を見回す。

「けっこうな量だ。ここでこれを燃やすと、かなりの灰が出るよね。それはどうするの?」
「畑に撒いて、肥料にするつもりですが」
 男が顔をしかめる。
 「そりゃ不味いよ。灰を肥料にすると、油虫の類が大量に発生して、作物が全部ダメになる」
 そりゃ知らなかった。思わず好奇心が掻き立てられる。
 「ふうん。トウモロコシを植えようと思っていたんだけど」
 「そりゃダメだよ。実がつく前に全部食われる」
 実際、それはあるなあ。花が咲き、実が出来始めたころに、虫が入って、食い尽くしてしまう。
 「どうすれば良いんでしょう」
 すると、男が懐から小さいケースを取り出した。
 透明なプラスティック製のケースで、中に何やら緑色のものが入っている。

 「これ、知ってる?」
 「いえ」
 「こいつはカマキリの仲間で、青虫を食ってくれる。繁殖力も強いから、畑ひとつに5匹も放せば、数百匹に増えて、青虫を駆除してくれる。作物にはなんら影響が無く、薬を撒く必要も無い」
 「ふうん。なかなか便利ですね。幾らくらいするんですか」
 「1匹2千円だけど、欲しいなら1千5百円で譲ってやるよ。知り合いが業者だから、安く手に入るんだ」
 「そうですか。考えて置きます」
 こういうのに「衝動買い」は禁物だ。よく調べてからだろうな。

 ここで男が上目遣いでオレを見た。
 「こいつは繁殖力が強いんだ。ほら」
 男が蓋を開くと、青虫みたいな幼虫がうようよとケースから這い出て来た。
 「スゴイだろ。早いうちに買っといた方がいいよ」
 虫たちはふわあっという勢いで、周囲に散らばった。
 オレは内心で驚いたが、勝手に畑に入ったのなら金は払わずに済むだろうと考え、黙って見ていた。
 すると突然、虫が跳ね上がり、オレの胸に飛びついた。
 数十匹が服に付いたので、オレはさすがに驚き、手で払いのけた。

 「おいおい。そいつは益虫だよ。殺さないようにしてくれよ」
 それもそうだ。
 そこで、オレは虫に向け、「ぶふうう」と息を吐きかけ、払い落とすことにした。
 「ブフウ」「ブフウ」
 男はオレの様子を見て、くすくすと笑っている。
 「こいつ。名前はなんて言うんですか」
 「モリモトチュウ」
 聞いたことの無い虫の名だ。
 オレは話を続けようとしたが、唐突に左耳がむず痒くなった。
 耳の穴の中でかさこそ、ごにょごにょと蠢く物がある。

 「イケネ。虫が耳に入った」
 オレは耳の穴に指を入れようとしたが、これが不味かった。
 虫は却って、耳の奥に入り込もうとした。
 「不味い。頭の中に潜り込まれてしまう」
 こりゃ大変だ。
 片足で立ち、左耳を下にして、けんけんをしてみるが、虫はいよいよ奥に入り込む。
 こりゃ救急車をよぶ必要があるかも。

 ここでオレが向かいに立つ男を見ると、その男はニヤニヤと笑ってオレを見ていた。
 ここで覚醒。

 目が覚めると、左耳を下にして眠っていました。
 耳が圧迫され、苦しくなったことが夢に影響したと思われます。
 でも、夢の中の私は、「アベ」という名前でした。
 夢は何かを象徴しているのです。