日刊早坂ノボル新聞

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◎今日の読み方クイズ(4/15) 「紫陽花」

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◎今日の読み方クイズ(4/15) 「紫陽花」

 エレーベーターの中に入ると、この日はいつもの「四文字熟語クイズ」ではなく、「難読漢字クイズ」だった。

 なるほど、このパターンもあるわけだ。

 でも、これじゃあ、詰まらんな。

 

 しかし、「紫陽花」じゃあ、変化させられない。知っているかいないかの違いしかない。テレビのT大ナントカクイズと同じで、知識の量を単純に比べても面白くもなんともない。違いは机の前に座っている時間だけ。

 そこで、無理やり穴埋め問題を考えてみる。

 「▢陽花」「紫▢花」「紫陽▢」

 ウーン。出来るのか、これ。

 

 車まで歩いたが、どうにも出て来ない。

 そもそも「紫陽」ってどんな意味なの?

 ネット辞書を引くと、漢語では「紫」が「嘴」と同じ発音で、「鳥の嘴のような紫色」のことを指すらしい。

 え。でも何の鳥?

 「嘴が紫の鳥」なら、ヒヨドリ他複数あるようだ。

 でも、いずれにせよ、「その鳥の色に似ているから紫陽花になった」ということだな。

 おお、こりゃ調べてみるもんだ。

 

 直接的に「紫陽花」の語源を調べると、「唐の詩人・白居易が招賢寺というお寺を訪れた時にそのお寺にあった紫色の花を紫陽花と名付けた」とある。

 ただ、白居易の見た「紫色の花は非常によい香りだった」と言うことから、実際の紫陽花とは違う花だったようだ。

 この白居易の「紫陽花詩」の漢字に日本の「あじさい」という読みを充てて広まったのが「紫陽花(あじさい)」の漢字の由来ということだ。

 

◆「紫陽花  白居易」(『白子文集』)

 何年植向仙壇上  

 早晩移栽到梵家  

 雖在人間人不識  

 与君名作紫陽花  

 <読み下し文>

 何れの年にか仙壇(仙境)のほとりに植えたる

 いつか移しうえて梵家(寺)に到れる

 人間に在りといえども人識らず

 君のために名づけて紫陽花となす

 

 では日本語の「あじさい」の語源は何か。

 あじさいは「あづさい(集真藍)」がなまったものとする説が有力視されており、万葉集ではすでにあじさいに「味狭藍」「安治佐為」などの漢字が充てられた、ということだ。

 ふーん。かなり昔から生えていたわけだ。

 ネット辞書は怪しいことが多いが、この辺までは信用して良さそうだ。

 

 そう言えば、若かりし頃、短期間だけ付き合った女子が高円寺に住んでいたので、線路沿いにある喫茶店でお茶を飲んだことがある。

 まだ友だちになって間もなくのことだったから、「趣味は何か」とかめいめいのことについて尋ね合った。

 「好きな花は何かしら?」

 確か六月頃で、自室の前に紫陽花が咲いていた。

 そこで、とりあえず「紫陽花かな」と答えた。

 ま、単純に「少し前に見た」ということ。

 (二十歳前後の若者が花に興味を持っているわけないだろ。)

 するとその女子は、ちょっと眉を顰めてこう言った。

 「紫陽花が好きな人は移り気だって言うわね」

 しーん。

 しかし、そいつは「花言葉」であって、人格とは関係ない。

 きれいなものを「きれいだ」と言ったら問題あるのか?

 

 こういう感じの「枠に嵌めようとする」発想は、当方の怒りの炎に火を点ける。目の前で血液型の話をされると、思わず山ほどの反論と皮肉をぶつけてしまう。

 「羽柴秀吉はO型だった」

 「羽柴秀吉の手相はこうだった」

 オメー。それを「一体誰が見た」というわけだよ?

 結論を書くと、やっぱりその女子とは三か月と持たなかった(大笑)。

 大体は三か月で振られる(ため息)。

 

 例によって、かなり脱線した。

 さて、冒頭の穴埋めクイズだが、「▢陽花」で「太陽花」を捻り出した(もちろん、「向日葵」の別称)。

 辞書では「紫▢花」で「紫蘭花」。紫蘭はラン科の植物で、春に咲く花らしい。

 中国には、紫陽県という土地がある。

 紫・陽・花で出て来るのはそれくらい。

 

 さて、今日の話の中で、唯一、使えそうなのは、このフレーズだ。

 「紫陽花の紫は、嘴と言う字に通じる。中国でこの字が充てられるようになったのは、この花がヒヨドリの嘴の色に似ていたからだんだよ」

 やや怪しいが、とりあえず他人に「へえ」と言わせることが出来るかもしれん(言い方にもよる)。